はじめに戻る

神聖なる言霊たち


Feb.16.2004





つづき
というわけで、前回までの、内容を整理してみようぞ。

かおる
初めて読む人は、わけわからんでしょうねえ(苦笑)。
前回までのコラムって、どれとどれなんだか……。
つづき
全部読んだら、どうじゃ?

かおる
そんな、暇人はいませんて。






母音と性別子音の関係表(改4)

ヤマトコトバの音韻が、f音→m音→k音に、変化しやすいことから、 (※関係コラム関係コラム)
男女の美称、「ひこ」「みこ」が、同じ「ふぃこ」「ふぃふぉ」の語句から転じたと推定。
(「ひこ・ひめ」は、直接の対の語句ではなかった。※関係コラム

ひほ(ふぃふぉ)→ひも(ふぃも)→ひこ(ふぃこ)→みこ

ふぃふぉ」は、「ひ・ほ (日・火)」等を意味する、神聖な語句であると思われる。

ひも・ひこ・みこ」は、神の人格・神を祭る者という意味が加わった。
みこ」には、、男女の区別は無いが、
m音」には、女性系の意味が付き、「k音」には、男性系の意味が付いた。

男子の美称は「ひこ・みこ(皇子)
女子の美称は「ひも・みこ(巫女)

みこ + と(人)」=「みこと(尊)
ひめ(姫)」は、「ひも」から、母音を変えて、さらに妖艶な意味に転じたもの。
いも(妹)」は、「ひも」から、神聖な「f子音」が外れて、一般女性代名詞に転じたもの。


母音=神聖子音 =男性子音 m=女性子音形容詞・母音の意味
aあめく・あくがる
憧れる
感情表現
i老人:
老女:
神聖美称:ひほ (「ふぃふぉ」="Fi-Fo"=「ひこ」に転じた)
男性美称:ひこ (「ふぃこ」="Fi-Ko"=「ふぃふぉ」からの転)
巫女・皇子:みこ (「ふぃこ」からの転)
ひひめく・ゐやぶ
忌む・敬う
u男: (童子)
女: (おんな)
うめく・うつくし
威嚇・警戒
立派・完璧
e姫系: (魅力ある高貴な娘※「ひも」よりも美称となった)
妹系: (えもいはぬ様な魅力の妹※関係コラム)
乙女:をと
少女:のこ
えもいはず
気配・五感
魅力
o姫系: (「ひこ」に対する女性美称※捨てられた語句)
妹系: (愛しい人)
青年:をと
少年:のこ (「このこ」からの転 くぉ(kwo)→を(wo))
をめく・をかし
畏れる
可愛いらしい


「かむい(神)」は、「・a・・u・i」の意味が、集まったもの。





つづき
かむい (神)」も、古代では、「ふぁふぃ」などと、言っておったかもしれぬなあ。

かおる
どうも、怪しいなあ……。

つづき
なにがじゃね?

かおる
古代に、「ひほひも」なんて、語句が本当にあったんですかねえ?

つづき
古語辞典を見ると、「ひぼ・ひも」は、「」の意味としてしか載っておらぬな。


一方、「ひもろき(神籬)」という語句があるのが興味深い。
注連縄の例があるように、「ひも(紐)」を神聖視していたのじゃろう。



かおる
ひも(紐)」では、「ひこ(男性美称)」と、対の意味になりませんよ〜?
そもそも、師匠の説では、「ひも」は、女性美称では?
つづき
いやいや、「ひこ・ひも」を、古代からの男性女性の美称と決め付けてもいかんぞ?
ひこ」には、「引こ」という、縄を引っ張る意味もあるのじゃ。


ひも(紐)」を「なふ(綯う)」のは、女の仕事であり、
なわ(縄)」を「ひこ(引こ)」うと頑張るのは、男の仕事ではないのかね?



かおる
な、なるほど……!
偶然の一致とは恐ろしいですね〜。
つづき
偶然なんぞで、あるものか!
古代において、一番最初に発明したアイテムは、藁をよって作った「なわ」じゃったに違いない。
最初は、細く寄り合わせ引っ張ったものを「ひも」と呼んだ。
さらに、太くしたり、輪にしたり、実用的な状態にすることで、「なわ」と呼んだのじゃろう。
古代のムラの様子を、思い浮かべで見るが良い。




どこまでも青く、晴れあがった空の下、今日は、ムラのマツリの日じゃ。
子供らは、ワラを集め、女は、家の中で、紐を綯ってておった。
そこに男が、声をかけた。

ひも! ひも!


女は、綯ったばかりの紐を、両手いっぱいに抱えて、男に渡したじゃろう。
ムラの男たちは、ムラの中央の広場に集まっておった。
男たちは、紐を集めて、太い縄を寄り合わせているところじゃった。

縄は、どんどん、太く、長くなっていった。
ムラビトは、縄の仕上がりに満足し、
男たちが担ぎ上げ、ムラはずれの森の中へと運んでいった。

この縄を、森の中の、大きな大きな木と木の間に締めようじゃないか。
カミの祟りを、鎮めるためにと。
森のモノノケが、ムラに入って来ぬようにと。
縄を使って、森への道を閉めようじゃないか。

ムラに通じる山道の、巨大な二本の木々の間に、出来たばかりの縄が結ばれた。
縄が外れぬよう、しっかりと縄を引こう。
男たちは、互いに声をかけあった。

ひこ! ひこ!


そして、立派な縄が、森の入り口に掲げられた。
カミから、ムラを守る、シメナワじゃ。
男たちは、うやうやしく、森を後にしていった。
ムラでは、女たちが、男の帰りをまっていた。





つづき
こうして、女を「ひも〜いも(妹)〜ひめ(姫)」と呼ぶ習慣が出来、
男を、「ひこ」と呼ぶ習慣が生まれたわけじゃな。
かおる
そんなわけ、ないでしょう!

つづき
いかんの〜。 かおる君は、もっと洞察力を深めたほうがよいぞ〜?

かおる
師匠のそれは、妄想というやつです。






つづき
それでは、話を変えて、「ひ (ふぃ)」の字を持っている、「ひと (人)」の、「t音」には、
どういう意味があったのか、検証してみようぞ。
かおる
師匠も、暇ですね〜。 それじゃあ、お付き合いしましょう。
で、どんな意味があったんですか?
つづき
表にすれば、きっと、一目でわかるぞよ。



母音と「t子音」の関係表


母音=人・手・方向子音備考形容詞・母音の意味
a
たりる (足りる)
たたく
たたる (祟る)
人を数えるときに「たり」を使うのは、
て・あり=(手が足りる)」の意味か?
あめく・あくがる
あふ・あそぶ
あまた・あらはす

憧れる・存在
会う・合う
感情表現
i
ち (血)・ちち (乳)
ちる (散る)
ち (方向)
あっち・そっち・こっち」は、
遠距離の方向を示す。
ひひめく・ゐやぶ
忌む・敬う
u
つむ・つく・つくる
つめる・あつめる
物を数えるときに「」を使うのは、
物を集める」の意味。
うめく・うつくし
威嚇・警戒
立派・完璧
e
て (手・方向)
かみて・しもて・みぎて・ひだりて」は、
近距離の方向を表す。
えもいはず
気配・五感
魅力
o
とる (取る)
ひと (人)
言葉で、物を繋げるときに、
〜と、〜と」と、言う。
をめく・をかし
をさむ・をしむ

畏れる
可愛いらしい
物を得る


「ひと=ふぃと(人)」は、「・i・・o」の意味が、集まったもの。





かおる
神と人を取り巻く語句には、「K・T・F・M子音」のグループが、多く使われているようですね?
S・N・R・Y子音」にも、何か意味があるのでしょうか?
つづき
R子音」は、活用語尾に用いられ、ヤマトコトバの語頭には、現れないようじゃ。
Y子音」は、「やみ(闇)・ゆふ(夕)・よる(夜)」のように、あまり縁起がよくないようじゃな。
ただし、「やすし(安し)・ゆかり(縁)・よし(由)」という縁起に関係する語句があるのも興味深い。
N子音」は、「な(汝)・なわ(縄)・ぬ」のように、尊称であったり、打消しであったりしておる。
」は、相手に強要する語句じゃし、「ねえ・のお」は、人に呼びかける語句でもあったりするわけじゃなあ。
S子音」のグループにも、なにか深い意味がありそうじゃ。
これらのヤマトコトバの語彙については、また、いずれ、機会を改めて検証してみようぞ。
楽しみに待っておれ。

かおる
いや、楽しんでるのは、師匠だけかと思いますが……(苦笑)。

つづき
ついでじゃから、最後に、有名な「天地の詞」を紹介しておこう。

かおる
平安時代に、「いろは歌」の前に作られたとされる字母歌ですね?
同じ音を2度使わないようにして、歌を詠むという。


「天地の詞」

天 地 星 空
山 川 峰 谷
雲 霧 室 苔
人 犬 上 末
硫黄 猿 生ふせよ
榎の枝を 慣れ居て

つづき
そうじゃ。
これを、「母音」「K・T・F(H)・M子音」「W子音」別に色分けしてみようぞ。 うりゃ!


つち

 つち し そら
 かは ね 
くも り ろ こけ
ひと ぬ うえ す
 さる  せよ
の 江 なれ 
※江=ヤ行のえ


かおる
あらら〜。 見事に偏りがありますね〜?
K・T・F(H)・M子音」系の語句が先頭に並んでますね?
つづき
その通り! この作者は、「あかさたな……」の五十音表順を意識した語句ではなく、
K・T・F(H)・M子音」系の語句から、先に言葉を選択しておるわけじゃ。
それは、つまり、あらためて、言うまでも無く、日本で古くから親しまれておる語句が、
確率的に見ても、「K・T・F(H)・M子音」系に、多く偏っているということじゃな。
」が、先頭じゃったり、「W子音」が、後ろの方に現れておることも興味深い。
おそらく、この中でも、「天、地、星、空、山、川、峰、谷、雲、霧、室、苔、人、犬、上、末」あたりが、
古代より、重要な、「言霊(コトダマ)」じゃったと、考えて間違いあるまいて。

かおる
最後は、少しだけ、アカデミックな感じでまとまりましたね〜。
アナグラムにしないところが、ナイス!






付録・年表




はじめに戻る