はじめに戻る

卑弥呼の謎に迫れるか?


Feb.15.2004





つづき
あ〜、前回、古語に見る、男性名詞と女性名詞で、
男性系・女性系の音韻を整理してみたわけじゃが……。
かおる
強引に、ネタに結びつけたやつですね? つ〜か、いよいよ、「卑弥呼」の謎にチャレンジですか?
僕としては、狗奴国の「卑弥弓呼」って人にも興味あるんですよね〜。 わくわく。
つづき
ともかく、身体語を解剖せよ!の、「母音と語彙の関係表」も、合わせて整理してみたところ、
このように、なったのじゃ。





母音と性別子音の関係表
母音f・k・w(o)=男性子音 m=女性子音形容詞・母音の意味
aあめく・あくがる
憧れる
感情表現
i老人:
老女:
男子美称: (「ひ」="Fi")
巫女・皇子:
ひひめく・ゐやぶ
忌む・敬う
u男: (童子)
女: (おんな)
うめく・うつくし
威嚇・警戒
立派・完璧
e姫系: (魅力ある高貴な娘)
妹系: (えもいはぬ様な魅力の妹)
乙女:をと
少女:のこ
えもいはず
気配・五感
魅力
o姫系: (※捨てられた語句)
妹系: (愛しい人)
青年:をと
少年:のこ
をめく・をかし
畏れる
可愛いらしい




かおる
あれれ? 「ひこ」は、「ひめ」と、対じゃないんですか?

つづき
表を整理すると、このようにしたほうが、しっくりきたのじゃがなあ。
どうじゃろうか?
かおる
どうじゃもヘチマもありませんよ。 だいたい、「いめ・ひも」だって、前回のネタじゃないですか?
ひも」の代わりに、「ひこ」を置けばいいだけでしょう?


母音と性別子音の関係表(改)
母音k・w(o)=男性子音 m=女性子音形容詞・母音の意味
aあめく・あくがる
憧れる
感情表現
i老人:
老女:
巫女・皇子:
ひひめく・ゐやぶ
忌む・敬う
u男: (童子)
女: (おんな)
うめく・うつくし
威嚇・警戒
立派・完璧
e女子美称: (魅力ある高貴な娘)
妹系: (えもいはぬ様な魅力の妹)
乙女:をと
少女:のこ
えもいはず
気配・五感
魅力
o男子美称:
妹系: (愛しい人)
青年:をと
少年:のこ
をめく・をかし
畏れる
可愛いらしい




つづき
と、いうことは、「いめ」については、わしの説を支持するっちゅ〜ことかの?

かおる
え? いや、そんなことはありません! とりあえずですよ。

つづき
これでは、「みこ」が、女性だけを意味しとるので、しっくりこぬわけじゃが。
みこ」は、男性(皇子)の意味もあるはずじゃろ?
かおる
それなら、こうしたら、どうでしょう?
みこ」を、皇子と巫女の意味に分けるわけです。


母音と性別子音の関係表(改2)
母音k・w(o)=男性子音 m=女性子音形容詞・母音の意味
aあめく・あくがる
憧れる
感情表現
i老人:
老女:
巫女:
ひひめく・ゐやぶ
忌む・敬う
u男: (童子)
女: (おんな)
うめく・うつくし
威嚇・警戒
立派・完璧
e女子美称: (魅力ある高貴な娘)
妹系: (えもいはぬ様な魅力の妹)
乙女:をと
少女:のこ
えもいはず
気配・五感
魅力
o男子美称:
妹系: (愛しい人)
皇子:
青年:をと
少年:のこ
をめく・をかし
畏れる
可愛いらしい




つづき
なんか、ちぐはぐな印象をうけやせぬか?

かおる
いいえ、この中では、「いめ」が、ネタであって、余分なだけなんです。
いも(妹)」は、「みこ(皇子)」と、対応してるわけですから。
つづき
それでは、「みこ(巫女)」は、仲間はずれかの? ひとりぼっちじゃぞ?

かおる
昔の人の造語ですから、そんなにカッチリ整然と表に出来るもんじゃないでしょう?

つづき
いやいや、そうではない。
みこ(巫女)・みこ(皇子)・ひこ(男子美称)」は、セットで考えるべきものなのじゃ。
かおる
ほほぉ?

つづき
みこ(巫女)・みこ(皇子)・ひこ(男子美称)」は、古代においては、「ふぃこ」で言い表されていた、
男女を問わぬ、美称であったはずなのじゃ。



みこ・ひこ」は、「ふぃこ」という同じ言葉だった。




母音と性別子音の関係表(改3)
母音=神聖音 k・w(o)=男性子音 m=女性子音形容詞・母音の意味
aあめく・あくがる
憧れる
感情表現
i老人:
老女:
神聖美称:ふぃ (「ひこ」="Fi-Ko")
巫女・皇子: (「ひこ」の転)
ひひめく・ゐやぶ
忌む・敬う
u男: (童子)
女: (おんな)
うめく・うつくし
威嚇・警戒
立派・完璧
e姫系: (魅力ある高貴な娘)
妹系: (えもいはぬ様な魅力の妹)
乙女:をと
少女:のこ
えもいはず
気配・五感
魅力
o姫系: (※捨てられた語句)
妹系: (愛しい人)
青年:をと
少年:のこ
をめく・をかし
畏れる
可愛いらしい




つづき
ヤマトコトバが、f音→m音→k音と、変わる法則というのは、もうこのコラムでおなじみじゃろう?
ふぃこ」は、さらに古代では「ふぃも」であり、「ふぃふぉ」だったに違いない。
それこそ、「日・火」の意味であり、ヤマトコトバで、最も偉大で神聖なる音を言い表しておるわけじゃな。


ふぃふぉひ・ほ日・火」こそ、最も神聖な言霊(コトダマ)なのじゃ。


ふぃこ」は、そのまま現代で言う「ひこ」の意味であり、神の人格を表す神聖な名前じゃった。
その後、f音→m音→k音変化の法則により、「みこ」に転じ、神を祭る者という意味が加わったのじゃ。

ひほ(ふぃふぉ)→ひも(ふぃも)→ひこ(ふぃこ)→みこ

みこ」に転じたばかりの頃はまだ、男女の区別は無かったのじゃが、
やがて、「m音」には、女の意味が付き、「k音」には、男の意味が付いたのじゃ。

男子の美称は「ひこ・みこ(皇子)」となり、
女子の美称は「ひも・みこ(巫女)」となったのじゃ。

ひめ」というのは、「ひも」のさらに上を行く極上の美称として使われるようになったのじゃろう。
現代においても、それは変わらず、「男性・女性・美人」という別れ方で、社会は成り立っているのじゃ。
ひめ」が造語されたおかげで、「ひも」は、劣った名詞として、忘れさられし言葉になったわけじゃな。
代わりに、「いも」という、一般の娘を指す名詞が生まれたというわけじゃ。

しかし、それも一時しのぎに過ぎんかった。 その後、「いも」もまた、女子の蔑称と変わっていったのであった。

みこ」については、その後、「と(人)」を付けて、「みこと(尊)」と、呼ばれるようになったことじゃろう。


かおる
ネタは、もういいですから、それより、卑弥呼や、卑弥弓呼の話を聞かせてくださいよ〜。

つづき
え?

かおる
え? じゃないでしょ〜。







付録・年表




はじめに戻る