崇神紀 六年、百姓の流離するもの、或いは反逆するものあり、 その勢いは徳を以て治めようとしても難しかった。 それで朝夕天神地祇にお祈りをした。 これより先、天照大神・倭大国魂の二神を、天皇の御殿の内にお祀りした。 ところがその神の勢いを畏れ、共に住むには不安があった。 そこで、天照大神を豊鋤入姫命(とよすきいりびめ)に託し、 大和の笠縫邑(かさぬいのむら)に祀った。 よって堅固な石の神籬(ひもろぎ)を造った。 また日本大国魂神は、渟名城入姫命に預けて祀られた。 ところが渟名城入姫命は、髪が落ち体が痩せてお祀りすることができなかった。 倭迹迹日百襲姫(やまとととひももそひめ)が、神憑りして言われた。) |
垂仁紀 伊勢の祭祀 二十五年(〜中略〜)三月十日、天照大神を豊鋤入姫命からはなして、倭姫命に託された。 倭姫命は、大神を鎮座申し上げるところを探して、宇陀の篠幡に行った。 さらに引き返して近江国に入り、美濃をめぐって伊勢国に至った。 そのとき天照大神は、倭姫命に教えていわれるに、 「伊勢国はしきりに浪の打ち寄せる、傍国(中心ではないが)の美しい国である。 この国に居りたいと思う」と。 そこで大神のことばのままに、その祠を伊勢国に立てられた。 そして斎宮(斎王のこもる宮)を五十鈴川のほとりに立てた。 これを磯宮という。 天照大神が始めて天より降られたところである。 |
天照大神が始めて天より降られたところである。 |
系統 | 天神 | 地神 | 倭神 |
祭神 | 天照大神 | 大物主神 | 倭大国魂神 |
備考 | 後に、倭姫命に託されて 伊勢に移り祀られる | 三輪山の神 蛇神? | 大和平野に鎮座する神々の主神 ということらしい |
斎場 | 笠縫邑 | 大神神社 | 大和神社 |
祭主 | 崇神天皇? 天孫 | 大田田根子 大物主神の子孫 | 市磯長尾市 椎根津彦の子孫 倭国造・倭直の祖 |
巫女 | 豊鋤入姫命 父:崇神天皇 母:紀伊国荒河戸畔の女 遠津年魚眼眼妙媛 | 倭迹迹日百襲姫 父:孝霊天皇 母:倭国香媛 | 淳名城入姫 父:崇神天皇 母:尾張大海媛 |
巫女の その後 | 倭姫命 二代目の巫女が、 各地を巡幸して伊勢に至る | 大物主神の正体を見て、 箸でホトを突いて死んだという | 髪が抜け、体が痩、 お祀りができなくなった |
伊勢麻績君 大水口宿禰 倭迹速神浅茅原目妙姫 |
系統 | 天神 | 地神 | 倭神 |
祭神 | 天照大神 | 大物主神 | 倭大国魂神 |
側近 | 伊勢麻績君 伊勢出身の官僚=天神系? | 大水口宿禰 大己貴命・素戔鳴尊を祀る? | 倭迹速神浅茅原目妙姫 倭神系の巫女? |
系統 | 天神 | 地神 | 倭神 |
祭神 | 天照大神 | 大物主神 | 倭大国魂神 |
祭主 | 崇神天皇? | 大田田根子 | 市磯長尾市 |
側近 | 伊勢麻績君 | 大水口宿禰 | 倭迹速神浅茅原目妙姫 |
斎場 | 笠縫邑 | 大神神社 | 大和神社 |
巫女 | 豊鋤入姫命 父:崇神天皇 母:紀伊国荒河戸畔の女 遠津年魚眼眼妙媛 | 倭迹迹日百襲姫 父:孝霊天皇 母:倭国香媛 | 淳名城入姫 父:崇神天皇 母:尾張大海媛 |
備考 | 紀伊国には、 五十猛神が祀られている スサノヲと関係する地神系 高天原系の巫女では無いはず | 「倭」を名前に持つ者は、 倭国建国に貢献した? 倭国は地上の国なので、 高天原系の巫女では無いはず | 尾張氏の祖の天火明命は、 ニニギと同じ天照大神の系譜 「尾張」=天神系 高天原系の巫女か? |
巫女の その後 | 倭姫命 父:垂仁天皇 母:丹波国日葉酢媛 二代目の巫女が、 各地を巡幸して伊勢に至る | 大物主神の正体を見て、 箸でホトを突いて死んだという | 髪が抜け、体が痩、 お祀りができなくなった |