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「みかやま」を探せ!


October.30.2004





つづき
前回のコラムで、「みかやま・みわやま」が、
古代より神聖な霊山であったことがわかったであろう?
かおる
北九州の「三箇山(みかやま)」、奈良盆地の「三輪山(みわやま)」ですか〜。
でも、まだなんか偶然の一致のような気もしますけどね〜。
つづき
偶然じゃとな?

かおる
そもそも、「三箇山」は、地元では「さんがやま」と呼んでるようですし、
古代に、「みかやま」と呼んでいたかどうかは、わかりませんよ?
つづき
ここでも説明したように、北九州では、「みか(甕)・かめ(瓶)」を崇めていたのじゃ。
さんが」は、漢字が付けられてからの音読みであって、古来からの和語ではない。
かおる
みか」が、「甕棺(カメ棺)」に通じるなら、「三箇」と漢字を当てるのも、
おかしいじゃありませんか?
つづき
ならば、「」の漢字のついた「みかやま」があれば、納得するのかね?

かおる
そんな山、ありましたか?

つづき
あるもなにも、そのものズバリ、


三瓶山じゃ。


島根県の「三瓶山」は、出雲国引き神話の舞台である。
3600年前にも噴火をしたと言われる火の山じゃ。


かおる
あれあれ? その「三瓶山」でしたら「さんべさん」と、読むのでは……?

つづき
じゃから、この山も古代では「みかやま」と、呼ばれておったであろうと言うことじゃ。
神話時代から伝わる山であれば、相応の和語で呼ばれていたはず。 「さんべさん」は、和語ではない。

みかやま」という音に、「三瓶山」と漢字をあてたのじゃろう。
」の字も付いておるし、これでも偶然と言えるかね?

日本は、古来より「火の国」とも呼ばれておった。
みか・かめ」は、「かまど」にも通じ、火を焚くところじゃ。

日本各地にある火山は、まさに巨大な「かまど=みかまど(火山)」であったことじゃろう。
火山である「三瓶山」は、そのものズバリ、火の瓶(かめ)じゃ。

阿蘇」から始まった火の山信仰は、やがて緩やかな山岳信仰となり、
古代山岳信仰の象徴が「みかやま(霊山)」と呼ばれたのじゃ。



かおる
古代に、火の山を祀る山岳信仰が、本当にあったのでしょうか?

つづき
三瓶山が、神話の舞台にもなった火山であることから、
出雲の神、スサノヲの素性も、推測できようぞ。
かおる
須佐」という地名があることから、
スサノヲ(須佐の男)」と、解釈するのが一般的みたいですが?
つづき
ただの地名を冠した男、という意味では、三貴子の一人としては、説得力が無いのではないか?



「スサノヲ」とは、「スサ(すさぶる)+ノ+ヲカ(陸)」
=「地震・噴火で荒ぶる火の山」のことではないか?


イザナギが黄泉の国から帰り、川でみそぎをして、顔を洗ったときに、
左目から天照大神、右目から月読尊、鼻から須左之男命が生まれたとされる。
これら三柱の神を三貴子と呼ぶからには、スサノヲは、日・月に匹敵する存在なはず。
スサノヲは、後に、根の国(地の下)へ行こうとする。
大地震の被害は、荒ぶる神の所業そのもの。


スサノヲ」とは、火山・大地の神だったというわけじゃ。




かおる
ほほう。

つづき
おそらくまだまだ「みかやま」は、名前を変えて全国に散らばっておるやも知れぬな。
全国の地名を洗い直さねばならぬのお。

諏訪の南にある上伊那郡「三界山(さんかいやま・みつかいやま)」も、
古代では「みかやま」じゃったのではないか?
くしくも、ほとりには「美和(みわ)湖」(人造ダム湖)まである。

岐阜と長野の県境にも「奥三界山(おくさんがいやま)」があり、
下流の川上村には、竜蛇伝説も残されておる伝説の土地じゃ。






日本列島を東西に縦断する、「みかやまベルトライン

三輪山の北には「春日山(三笠山・御蓋山・みかやま?)」がある




かおる
なるほど〜。 漢字を、当て字と考えれば、ありえなくはないかも?
でも、どうして、古代から由緒有るはずの呼び名が変わってしまったのでしょう?
つづき
名前を変えたのは、強制的に変えられたという可能性もあろうが、
山岳信仰する部族が自ら本来の名を隠したのやも知れぬ。 いわゆる「忌み名」じゃな。


三輪山(みわやま)」を軸に崇め、統一国家を築こうとする、
大和朝廷の追求から逃れるためじゃろう。

随書には、噴火する阿蘇の祭祀の記述があるが、その後、大和朝廷は権力を集中するために、
全国の「みかやま」を祀ることを禁たのじゃろう。

みかまど(火山)・みかやま(霊山)」に代る支配者が、「みかど(帝)」というわけじゃ。
巨大古墳も、「みかやま」をかたどったものから発展したのではないか?


かおる
三箇山(筑紫)・三瓶山(出雲)・三輪山(大和)・三界山(諏訪)」が、
古代山岳信仰で、一本の糸に繋がるわけですか〜。 これは大発見!
つづき
案外、大和朝廷によって消された「銅鐸」も、「みか」と呼ばれておったやも知れぬのお?
みかかね」などと言うておったかも知れぬ。


ああ、そうか、わかったぞっ!!!



かおる
な、なんですか? なにがわかったんですか?

つづき
正月のお供えで、鏡餅(かがみもち)に「みかん」を乗せるのは、
銅鐸(みか)を祀っていたなごりではないじゃろうか?!
かおる
それは無い。(キッパリ)









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