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神聖なる「みか」


October.26.2004





つづき
前回のコラムで、「みか」が特別な言葉であったことがわかったじゃろう。

かおる
みかづき(三日月)・みかぼし(甕星)」に、共通に含まれる語句というのはわかりますが、
実際どういう意味だったのか、わからないでしょう? やっぱり「三日」という意味なのでは?
つづき
みか」は、さかさに読めば「かみ(神)」ともなるじゃろ?

かおる
それじゃあ、ただの言葉あそびでしょう?

つづき
古語辞典には「みかうのこ(御神の子)」という語句も載っておる。
みかう」の語幹は、「みか」であり、「みこ(巫女・皇子)」に転じていったのではないか?


」自体に、神聖な意味があったのであろう。


かおる
でも、確かな証拠はないですよ。

つづき
まだまだ他にも、「みか」に関係した言葉はあるぞよ?
はたして、これら重要な言葉は、偶然似たものであろうかの?


これって、「みか」に関係してるんじゃないかな?表


みかぼし太陽のかたわらで輝く、小さい炎(ほ)=ほし(星)
現代語で「金星」=「甕星」
みかづき太陽に付き添って輝くもの=つき(月)
現代語で「三日月」
みか
みき
「甕(みか)」は、水や酒を入れる瓶のこと
神酒を「みき・おみき」と呼ぶ
古代の酒(みき)は、巫女(みこ)による「口噛み(かみ)」で作られた
みかさ「みかさ」は、水量のこと
「み」=身・中身
「か」=偉大さ・多さ
「さ」=様・様子
かめ「甕(みか)」は、「瓶(かめ)」のこと
かみ
かむ
神(かみ)=畏れる存在
おがむ(拝む)
みかうのこ
みこ
ひみこ
ひめ
ひこ
「御神の子(みかうのこ)」=神に仕える少女
巫女(みこ)=皇子(みこ)=神聖で高貴な人
卑弥呼=日巫女=日みか
姫(ひめ)=女性
彦(ひこ)=男性
みかまぎ
かまぎ
まき
かま
「御薪(みかまぎ)」は、神聖な「かまぎ」=薪(まき)
「ま=間・釜・窯」「き=木」という意味の古代語であろう
後に「御(み)・かま・木(き)」と分解され、「かま(釜)」という語句ができた
後に「かまぎ=薪」の意味になった
みかき「御垣(みかき)」は、神社や皇居を囲む垣
「き」は、城の意味=古代では頑丈な「木」の垣だったろう
後に「み・かき」と分解され、「御垣(みかき)」という語句が出来た
みかど
きみ
「帝(みかど)」は天皇のこと
「と」は「人・戸・門」の古代語であろう
後に「み・かど」と分解され、「御門(みかど)」という語句ができた
「三笠山・みかの原・みかは」という地名がある
「きみ」は王=天皇のこと
みがく「磨く(みがく)」と言う


これらは、主に以下の語句だけで造語されている
「か・き・こ・ひ・ま・み・め」
k・h・m子音の語句は、古い部類のヤマトコトバであろう



かおる
なるほど〜。 こうして見ると、それぞれの単語の一音節ごとに共通の語彙が見えてきそうですね?

つづき
これらの単語の意味は、もう明らかであろう。
以下の通りで間違い有るまい!




処・遠い場所・輝く
神聖・偉大なもの

木・城・気
撥ね付けるもの


庇護を受けるもの

張る・晴れ・吐く
広がりのあるもの

日・火
明るく燃えるもの

炎・穂
先端にあるもの

間・窯
生活・炊事をする

身・実・水・海
纏う・取り巻くもの

姿・雌・芽・目
眺めて愛でるもの



もう、「卑弥呼」の語彙はわかりましたね?



かおる
よ〜するに、これらの語彙で言葉を話していた古代日本人がいたとして、
卑弥呼を「ひみこ」と読むならば、おおよそ「日を纏い、庇護を受けた者」という意味になると。
つづき
まったくその通り。 これで卑弥呼の謎に一歩近づけたというわけじゃ。

かおる
でも、その程度なら、昔から言われていたことですから、たいした進展とは言えませんね〜。

つづき
何を言うか! 卑弥呼を含め、これらの言葉を話していた人々は、どこに住んでいたか、
大いなるヒントが隠されておるのじゃぞ!
かおる
ええ? それって、もしや邪馬台国がどこにあったか、所在がわかるってことですか?

つづき
まったくその通り。

かおる
もったいつけないで、教えてくださいよ〜。

つづき
うむ、では、耳の穴をかっぽじってよく聞くがよい。 そのヒントとは……。



「甕棺(カメ棺)」じゃ。





かおる
甕棺(カメ棺)」?

つづき
卑弥呼」にも通じる「みか」という語句。 甕(みか)とは、瓶(かめ)のことじゃ。
それらは、お神酒を貯蔵したりと、神聖な容器であり、かつまた、死者を葬る骨壷でもあるのじゃ。



死者を「甕棺」に入れる埋葬儀礼は、
北九州特有のものなのじゃ!
彼ら弥生人は、「みか」を神聖視していたに違いない!





弥生時代の大型甕棺の出土地域は、
北九州、春日市、筑紫野市周辺に多く見られる。



かおる
おっと〜! 今回は、甕星から、骨壷にネタが飛躍しましたか!

つづき
ネタじゃと思っておるうちは、古代史の謎は永遠に解けぬぞよ?
ふぉっふぉっふぉっふぉっふぉっふぉっふぉっふぉっふぉっふぉっ。








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