系統 | 例 | 種類 | 備考 |
らる系 | れ・れ・る・るる・るれ・れよ え・え・ゆ・ゆる・ゆれ られ・られ・らる・らるる・らるれ・られよ らえ・らえ | 受身 尊敬 可能 自発 | 「るる系」は「四段・ナ変・ラ変」の未然形に接続 「らるる・らえ系」は、それ以外の未然形に接続 「ゆ系」は上代まで使用 |
しむ系 | せ・せ・す・する・すれ・せよ させ・させ・さす・さする・さすれ・させよ しめ・しめ・しむ・しむる・しむれ・しめよ | 使役・尊敬 | 未然形に接続 「する系」は「四段・ナ変・ラ変」のみ 「さす系」はそれ以外 「する・さす系」は、中古から使用 |
ざり系 | じ・ず・ぬ・ね ざら・ざり・ざる・ざれ・ざれ なは・なふ・なへ | 打ち消し | 未然形に接続 「なふ系」は上代まで |
まじ系 | ましじ・ましじき まじく・まじ・まじき まじから・まじかり・まじ・まじかる・まじけれ | 打ち消し 推量 | 終止形に接続 「ラ変」は、連体形に接続 「まじかり系」は、中古から |
むず系 | む(ん)・め むず・むずる・むずれ ませ(ましか)・まし・まし・ましか | 推量 | 未然形に接続 「む・まし」は上代から |
けむ系 | けむ・けむ・けめ・けん | 推量 | 連用形に接続 上代から |
らむ系 | らむ・らむ・らめ・らん らし・らしき | 推量 | 終止形に接続 上代から |
べし系 | べく・べき・べし | 推量 | 終止形に接続 上代から |
べら系 | べから・べかり・べかる・べけれ べらに・べらなり・べらなる・べらなれ めり・めり・める・めれ | 推量 | 連体形に接続 「べらに・めり系」は中古から |
けり系 | けら・けり・ける・けれ せ・き・し・しか | 過去 | 連用形に接続 「しか系」は、「カ変・サ変」に特殊な接続 上代から |
たり系 | たら・たり・たり・たる・たれ・たれ て・て・つ・つる・つれ・てよ な・に・ぬ・ぬる・ぬれ・ね ら・り・り・る・れ・れ | 完了 | 連用形に接続 「ら系」は、四段の已然形・サ変の未然形に接続 上代から |
たし系 | まほしく・まほし・まほしき まほしから・まほしかり・まほしかる・まほしけれ まうく・まうし・まうき・まうけれ たく・たし・たき たから・たかり・たし・たかる・たけれ | 希望 | 「まほし系」は、未然形に接続 「たし系」は、連用形に接続 中古から |
なり系 | なら・なり(に)・なり・なる・なれ・なれ たら・たり(と)・たり・たる・たれ・たれ | 伝聞 推定 断定 | 終止・連体・体言に接続 上代から |
ごとし系 | ごとく・ごとし・ごとき | 比況 | 連体形に接続 上代から |
さしす系 | さ・し・す・す・せ・せ | 尊敬 | 四段・サ変の未然形に接続 上代まで |
はひふ系 | は・ひ・ふ・ふ・へ・へ | 継続 | 四段の未然形に接続 上代まで |
未然 | 連用 | 終止 | 連体 | 已然 | 命令 | 種類 | 備考 | |
り ラ行変格活用 | ら | り | り | る | れ | れ | 完了・存続 上代まで | 四段の已然形に接続 サ変の未然形に接続 |
る 下二段活用 | れ | れ | る | るる | るれ | れよ | 受身・尊敬 上代から近世 | 四段・ナ変・ラ変の 未然形に接続 |
らる 下二段活用 | られ | られ | らる | らるる | らるれ | られよ | 可能・自発 受身・尊敬 (「られよ」は、受身・尊敬) 中古から | 四段・ナ変・ラ変以外の 未然形に接続 |
未然 | 連用 | 終止 | 連体 | 已然 | 命令 | 種類 | ||
す 四段活用 | さ | し | す | す | せ | せ | 尊敬 上代まで | 四段の未然形に接続 サ変の未然形に接続 |
す 下二段活用 | せ | せ | す | する | すれ | せよ | 使役・尊敬 中古から | 四段・ナ変・ラ変の 未然形に接続 |
さす 下二段活用 | させ | させ | さす | さする | さすれ | せよ | 使役・尊敬 中古から | 四段・ナ変・ラ変以外の 未然形に接続 |
り ラ行変格活用(完了・存続・上代まで) 四段の已然形に接続 サ変の未然形に接続 | 動詞+「e」+「る」+〜 已然・未然形に接続するのではなく、 「e」が、動詞の活用形式をつくる |
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動詞 | 活用形 | 助動詞〜 | 例 | 分解 |
四段活用 書く |
書か(未然) 書き(連用) 書く(終止) 書く(連体) 書け(已然) 書け(命令) |
ら(未然)+ず り(連用)+たり り(終止) る(連体)+なり れ(已然)+ども れ(命令) | 書けらず 書けりたり 書けり 書けるなり 書けれども 書けれ |
かく+e+る+a+ず かく+e+る+i+つ+a+る+i かく+e+る+i かく+e+る+u+ぬ+a+る+i かく+e+る+e+ども かく+e+る+e |
サ行変格活用 為(す) |
せ(未然) し(連用) す(終止) する(連体) すれ(已然) せよ(命令) |
ら(未然)+ず り(連用)+たり り(終止) る(連体)+なり れ(已然)+ども れ(命令) | せらず せりたり せり せるなり せれども せれ |
す+e+る+a+ず す+e+る+i+つ+a+る+i す+e+る+i す+e+る+u+ぬ+a+る+i す+e+る+e+ども す+e+る+e |
す 四段活用(尊敬・上代まで) 四段の未然形に接続 サ変の未然形に接続 | 動詞+「e(a)」+「す」+〜 未然形に接続するのではなく、 「e(a)」が、動詞の活用形式をつくる |
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動詞 | 活用形 | 助動詞〜 | 例 | 分解 |
四段活用 書く |
書か(未然) 書き(連用) 書く(終止) 書く(連体) 書け(已然) 書け(命令) |
さ(未然)+ず し(連用)+たり す(終止)+らむ す(連体)+なり せ(已然)+ども せ(命令) | 書かさず 書かしたり 書かすらむ 書かすなり 書かせども 書かせ |
かく+a+す+a+ず かく+a+す+i+つ+a+り+i かく+a+す+i+る+a+む かく+a+す+u+ぬ+a+る+i かく+a+す+e+ども かく+a+す+e |
サ行変格活用 為(す) |
せ(未然) し(連用) す(終止) する(連体) すれ(已然) せよ(命令) |
さ(未然)+ず し(連用)+たり す(終止)+らむ す(連体)+なり せ(已然)+ども せ(命令) | せさず せしたり せすらむ せすなり せせども せせ |
す+e+す+a+ず す+e+す+i+つ+a+る+i す+e+す+i+る+a+む す+e+す+u+ぬ+a+る+i す+e+す+e+ども す+e+す+e |
語句と語句を接続するとき、「e」を使う 未然の状態を表すときに「a」で接続する どこで、用法が分かれたか? |
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る 下二段活用(受身・尊敬・上代から近世) 四段の未然形に接続 ナ変の未然形に接続 ラ変の未然形に接続 | 動詞+「a」+「る」+〜 未然形に接続するのではなく、 「a」が、動詞の活用形式をつくる |
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動詞 | 活用形 | 助動詞〜 | 例 | 分解 |
四段活用 書く |
書か(未然) 書き(連用) 書く(終止) 書く(連体) 書け(已然) 書け(命令) |
れ(未然)+ず れ(連用)+たり る(終止) るる(連体)+なり るれ(已然)+ども れよ(命令) | 書かれず 書かれたり 書かる 書かるるなり 書かるれども 書かれよ |
かく+a+る+e+ず かく+a+る+e+つ+a+る+i かく+a+る+u かく+a+る+u+る+u+ぬ+a+る+i かく+a+る+u+る+e+ども かく+a+る+e+よ |
ナ行変格活用 死ぬ |
しな(未然) しに(連用) しぬ(終止) しぬる(連体) しぬれ(已然) しね(命令) |
れ(未然)+ず れ(連用)+たり る(終止) るる(連体)+なり るれ(已然)+ども れよ(命令) | しなれず しなれたり しなる しなるるなり しなるれども しなれよ |
しぬ+a+る+e+ず しぬ+a+る+e+つ+a+る+i しぬ+a+る+u しぬ+a+る+u+る+u+ぬ+a+る+i しぬ+a+る+u+る+e+ども しぬ+a+る+e+よ |
ラ行変格活用 有り |
あら(未然) あり(連用) あり(終止) ある(連体) あれ(已然) あれ(命令) |
れ(未然)+ず れ(連用)+たり る(終止) るる(連体)+なり るれ(已然)+ども れよ(命令) | あられず あられたり あらる あらるるなり あらるれども あられよ |
ある+a+る+e+ず ある+a+る+e+つ+a+る+i ある+a+る+u ある+a+る+u+る+u+ぬ+a+る+i ある+a+る+u+る+e+ども ある+a+る+e+よ |
す 下二段活用(使役・尊敬・中古から) 四段の未然形に接続 ナ変の未然形に接続 ラ変の未然形に接続 | 動詞+「a」+「す」+〜 未然形に接続するのではなく、 「a」が、動詞の活用形式をつくる |
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動詞 | 活用形 | 助動詞〜 | 例 | 分解 |
四段活用 書く |
書か(未然) 書き(連用) 書く(終止) 書く(連体) 書け(已然) 書け(命令) |
せ(未然)+ず せ(連用)+たり す(終止)+らむ する(連体)+なり すれ(已然)+ども せよ(命令) | 書かせず 書かせたり 書かすらむ 書かするなり 書かすれども 書かせよ |
かく+a+す+e+ず かく+a+す+e+つ+a+る+i かく+a+す+u かく+a+す+u+る+u+ぬ+a+る+i かく+a+す+u+る+e+ども かく+a+す+e+よ |
ナ行変格活用 死ぬ |
しな(未然) しに(連用) しぬ(終止) しぬる(連体) しぬれ(已然) しね(命令) |
せ(未然)+ず せ(連用)+たり す(終止)+らむ する(連体)+なり すれ(已然)+ども せよ(命令) | しなせず しなせたり しなす しなするなり しなすれども しなせよ |
しぬ+a+す+e+ず しぬ+a+す+e+つ+a+る+i しぬ+a+す+u しぬ+a+す+u+る+u+ぬ+a+る+i しぬ+a+す+u+る+e+ども しぬ+a+す+e+よ |
ラ行変格活用 有り |
あら(未然) あり(連用) あり(終止) ある(連体) あれ(已然) あれ(命令) |
せ(未然)+ず せ(連用)+たり す(終止)+らむ する(連体)+なり すれ(已然)+ども せよ(命令) | あらせず あらせたり あらす あらするなり あらすれども あらせよ |
ある+a+す+e+ず ある+a+す+e+つ+a+る+i ある+a+す+u ある+a+す+u+る+u+ぬ+a+る+i ある+a+す+u+る+e+ども ある+a+す+e+よ |
上代の助動詞「る(完了)・す(尊敬)」が、中古から、それぞれ下二段活用になり、 「り(受身・尊敬)・す(使役・尊敬)」の意味になる つまり、それまでの「る・す」の未然形語尾に、「a」が接続しなくなり「e」に変わった 上代の助動詞「る・す」が、中古から、サ変動詞の未然形「せ」に接続しなくなる つまり、以下の「らる・さす」が使われるようになった |
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らる 下二段活用(可能・自発・受身・尊敬・中古から) (「られよ」は、受身・尊敬) 四段・ナ変・ラ変以外の未然形に接続 | 動詞+「e?i」+「る」+「a」+「る」+〜 未然形に接続するのではなく、 「e?i」が、動詞の活用形式をつくる |
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動詞 | 活用形 | 助動詞〜 | 例 | 分解 |
サ行変格活用 為(す) |
せ(未然) し(連用) す(終止) する(連体) すれ(已然) せよ(命令) |
られ(未然)+ず られ(連用)+たり らる(終止) らるる(連体)+なり らるれ(已然)+ども られよ(命令) | せられず せられたり せらる せらるるなり せらるれども せられよ |
す+e+る+a+る+e+ず す+e+る+a+る+e+つ+a+る+i す+e+る+a+る+u す+e+る+a+る+u+ぬ+a+る+i す+e+る+a+る+u+る+e+ども す+e+る+a+る+e+よ |
上一段活用 着る |
き(未然) き(連用) きる(終止) きる(連体) きれ(已然) きよ(命令) |
られ(未然)+ず られ(連用)+たり らる(終止) らるる(連体)+なり らるれ(已然)+ども られよ(命令) | きられず きられたり きらる きらるるなり きらるれども きられよ |
き+?+る+a+る+e+ず き+?+る+a+る+e+つ+a+る+i き+?+る+a+る+u き+?+る+a+る+u+ぬ+a+る+i き+?+る+a+る+u+る+e+ども き+?+る+a+る+e+よ |
上二段活用 老ゆ |
おい(未然) おい(連用) おゆ(終止) おゆる(連体) おゆれ(已然) おいよ(命令) |
られ(未然)+ず られ(連用)+たり らる(終止) らるる(連体)+なり らるれ(已然)+ども られよ(命令) | おいられず おいられたり おいらる おいらるるなり おいらるれども おいられよ |
おゆ+i+る+a+る+e+ず おゆ+i+る+a+る+e+つ+a+る+i おゆ+i+る+a+る+u おゆ+i+る+a+る+u+ぬ+a+る+i おゆ+i+る+a+る+u+る+e+ども おゆ+i+る+a+る+e+よ |
下二段活用 寝(ね) |
ね(未然) ね(連用) ねる(終止) ねる(連体) ねれ(已然) ねよ(命令) |
られ(未然)+ず られ(連用)+たり らる(終止) らるる(連体)+なり らるれ(已然)+ども られよ(命令) | ねられず ねられたり ねらる ねらるるなり ねらるれども ねられよ |
ぬ+e+る+a+る+e+ず ぬ+e+る+a+る+e+つ+a+る+i ぬ+e+る+a+る+u ぬ+e+る+a+る+u+ぬ+a+る+i ぬ+e+る+a+る+u+る+e+ども ぬ+e+る+a+る+e+よ |
さす 下二段活用(使役・尊敬・中古から) 四段・ナ変・ラ変以外の未然形に接続 | 動詞+「e?i」+「す」+「a」+「す」+〜 未然形に接続するのではなく、 「e?i」が、動詞の活用形式をつくる |
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動詞 | 活用形 | 助動詞〜 | 例 | 分解 |
サ行変格活用 為(す) |
せ(未然) し(連用) す(終止) する(連体) すれ(已然) せよ(命令) |
させ(未然)+ず させ(連用)+たり さす(終止)+らむ さする(連体)+なり さすれ(已然)+ども させよ(命令) | せさせず せさせたり せさすらむ せさするなり せさすれども せさせよ |
す+e+す+a+す+e+ず す+e+す+a+す+e+つ+a+る+i す+e+す+a+す+u す+e+す+a+す+u+ぬ+a+る+i す+e+す+a+す+u+る+e+ども す+e+す+a+す+e+よ |
上一段活用 着る |
き(未然) き(連用) きる(終止) きる(連体) きれ(已然) きよ(命令) |
させ(未然)+ず させ(連用)+たり さす(終止)+らむ さする(連体)+なり さすれ(已然)+ども させよ(命令) | きさせず きさせたり きさすらむ きさするなり きさすれども きさせよ |
き+?+す+a+す+e+ず き+?+す+a+す+e+つ+a+る+i き+?+す+a+す+u き+?+す+a+す+u+ぬ+a+る+i き+?+す+a+す+u+る+e+ども き+?+す+a+す+e+よ |
上二段活用 老ゆ |
おい(未然) おい(連用) おゆ(終止) おゆる(連体) おゆれ(已然) おいよ(命令) |
させ(未然)+ず させ(連用)+たり さす(終止)+らむ さする(連体)+なり さすれ(已然)+ども させよ(命令) | おいさせず おいさせたり おいさすらむ おいさするなり おいさすれども おいさせよ |
おゆ+i+す+a+す+e+ず おゆ+i+す+a+す+e+つ+a+る+i おゆ+i+す+a+す+u おゆ+i+す+a+す+u+ぬ+a+る+i おゆ+i+す+a+す+u+る+e+ども おゆ+i+す+a+す+e+よ |
下二段活用 寝(ね) |
ね(未然) ね(連用) ねる(終止) ねる(連体) ねれ(已然) ねよ(命令) |
させ(未然)+ず させ(連用)+たり さす(終止)+らむ さする(連体)+なり さすれ(已然)+ども させよ(命令) | ねさせず ねさせたり ねさすらむ ねさするなり ねさすれども ねさせよ |
ぬ+e+す+a+す+e+ず ぬ+e+す+a+す+e+つ+a+る+i ぬ+e+す+a+す+u ぬ+e+す+a+す+u+ぬ+a+る+i ぬ+e+す+a+す+u+る+e+ども ぬ+e+す+a+す+e+よ |