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「なぬ?」のに、ね。


Feb.17.2004





かおる
タイトルの意味が、わかりません。
だいたい、「なぬ?」って、古語じゃないでしょう?
つづき
説明は、これからじゃ。
というわけで、前回の最後に、「天地の詞」を紹介したわけじゃが……。
かおる
K・T・F(H)・M子音」と、「S・N・R・Y子音」の文字のグループには偏りがありましたね?

つづき
なにぬねの」の、「N子音グループ」を見ると、これも、語尾につく語句が多いようじゃな。

かおる
なにか、理由があると、考えておられるのでしょうか?

つづき
うむ。 古代において、「なにぬねの」は、基本的な助詞として使われておったのではないかと思うじゃ。
もちろん、単独でも、使用できたに違いない。


「なにぬねの」に見られる意味表


母音=古代基本助詞用法・意味母音の形容詞・母音の意味
a
尊称・尊重
「な」=尊称・尊重
「大きい・な」=〜について尊重する
「大き・な」=形容を伴う尊称
「食べ・な」=強い意思
「食べ・よう・な」=共感を求める
「食べ・る・な」=食べ物に対する尊重
あめく・あくがる
あふ・あそぶ
あまた・あらはす

憧れる・存在
会う・合う
感情表現
i
否定を伴う関係
「に」=否定を伴う関係
「俺・に、よこせ!」=〜以外を否定
「な・に?」=〜の否定
「本当・に」=その時以外を否定
「そこ・に」=その場所以外を否定
ひひめく・ゐやぶ
忌む・敬う
u
困惑
「ぬ」=困惑
「食べ・ぬ。」=しなかったことの困惑
「食べ・り・ぬ。」=してしまったことの困惑
うめく・うつくし
威嚇・警戒
立派・完璧
e
要求を伴う質問
「ね」=要求を伴う質問
「ねえ」=要求を伴う呼びかけ
「リンゴ・ね?」=〜についての質問
えもいはず
気配・五感
魅力
o
関係を示す
「の」=関係を示す
「私・の・リンゴ」=所有関係
をめく・をかし
をさむ・をしむ

畏れる
可愛いらしい
物を得る


かおる
これを見ると、「N子音グループ」の意味だけに注目してようというわけですね?
いわゆる、教科書に載ってる活用形を無視して、このような表を作って、
N子音グループ」に、何か特別な意味があるかのように研究することに、どんな意義があるのでしょうか?

つづき
わしは、古文の教科書の活用形は、でたらめの、嘘っぱちじゃと思っておる。
「な・に・ぬ・ぬる……」などという語尾を、「未然・連用・終止・連体……」などと称して、分類しておるが、
1000年前当時の流行り言葉に、規則性を見つけて拾ってるだけであり、それはそれでよいとしても、
ちょっと違う用法があれば、「〜形」などと分類形を増やそうとするのがけしからん。
現代でも、「うっそ〜、マジ〜、超、カワイイ、キモイ」などと、用法が著しく変化に富んだ語句があるが、
それを、1000年後の言語学者が「コギャル形活用」などと分類するようなものであって、無意味極まりない。
1000年前でも同じことがいえたはずじゃ。 とくに、和歌を詠う場合、七五調にそろえるために、
流行語的な活用法が発明されたことじゃろう。 そんな一過性な流行語をいちいち覚えて、何の役に立つのか?
ヤマトコトバの用法には、もっと基本的なルールがあったはずであり、それを探る方が有益なのではないのか?

かおる
そんなこと言ってるから、成績が伸びなかったんですよ。
学校で教えてるものは、気に食わなくても、そのまま覚える、というのが、社会のルールなんですから。
つづき
学ぶ」という意味や本質を見失った教育に、どのような意義があろうか?
国語」というのは、もはや、「国語を探求すること」ではなく、
御偉い国語学者が決めた文法体系を丸暗記せよ」と、
そういう次元に成り下がっておるのじゃ。 ほとんど、誰も不思議とも思っておらぬようじゃがな。
言語学というものは、科学とも呼べぬ、宗教に近いものではなかろうか?
信じるものは、成績が救われると……。

かおる
話が、それてきましたよ〜?
それに、「学ぶ」の意味とは、「人の真似をする」という意味らしいですよ?(苦笑)
つづき
そのように、わしが国語の問題について「なぬ?」のにと、言っておるわけじゃ。

かおる
だから、なんなんですか〜?
その、「なぬのにね」てのは?
つづき
まだ、わからぬか? 「なぬ?」のに
とは、こういう意味じゃ。


「なぬ?」のに、ね。

古語
意味尊称・尊重困惑関係を示す否定を伴う関係要求を伴う質問
現代語訳尊重するけどこれには従いたくないいいですか?



つづき
どうじゃね? かおる君は、「なぬのにね」と聞いたとき、その意味に気づいていたはずじゃ。
そして、「なぬのにね」とは、想像通りの意味じゃったに違いない。
かおる
なぬのにね。

つづき
なぬ?







付録・年表




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