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「古代あそこど」研究室


Feb.3.2004





つづき
数詞の謎が明快に解けたばかりで、わしは非常に気分がよい。

かおる
ほんとに、気持ち悪いくらいに解けましたね。(と、言っておこう)

つづき
古代の日本では「倍進法」とも言うべき[1,2][3,6][4,8]の数の単位が使われておった。
ヒ(日)、フ(経)、ミ(実)、ム(結)、ヨ(夜)、ヤ(休)」が、古代ヤマトコトバの基本語彙だとわかった。
ヤマトコトバはいつ誕生したか? それは、柱を建てて暮らしていた、縄文時代にまで遡る言語なのである。

かおる
イィ、ナナ、トヲ」も、説いてくださいね。 いつごろ、十進法の数詞が完成したのかも。

つづき
だめじゃ、だめじゃ。 すぐにすべての問題を解決しようとするのが、研究者の悪い癖じゃ。
慌てて解明しようとしても、世の中は、けして決定的な事柄だけで成り立ってはおらぬ。
確かな事実だけを積み重ねていけばよいのじゃ。
というわけで、今回は、代名詞「こそあど」から、古代ヤマトコトバを解明していこうと思う。
が、わしは、「こそあど」という言い方が納得できん!

かおる
なにがですか?

つづき
あそこ」と言う、言い回しがあるのに、なぜわざわざ「こそあ」と逆にするのか?
わしは、古代人にならって、「あそこど」と言うことにするぞ!
かおる
はいはい、お好きなように……。


ほんとかな?「古代あそこど」表
アソコ
(物体との距離)
アナタ
(人物との距離)

(自分)

(他人)
備考
レ(限定)アレ (遠い)
ソレ (近い)
コレ (ここ)
ドレ?
アレ (遠い)
ナレ (近い)
タレ (ここ)
ダレ?
ワレカレ
コ(場所)アコ(アソコ)
ソコ
ココ
ドコ?
チ(方向)アチ
ソチ
コチ
ドチ?
ノ(指定)アノ
ソノ
コノ
ドノ?
連体詞?
(〜がと言えない)
(〜だと言えない)
ンナ(形容)アンナ
ソンナ
コンナ
ドンナ?
連体詞?
形容動詞?
(〜がと言えない)
ンナ(形容)
ノ(指定)
アンナノ
ソンナノ
コンナノ
ドンナノ?
コ(場所)
ラ(周辺)
アコラ
ソコラ
ココラ
ドコラ?
コ(場所)
ノ(指定)
アコノ
ソコノ
ココノ
ドコノ?
チ(方向)
ラ(周辺)
アチラ
ソチラ
コチラ
ドチラ?
レ(限定)
ノ(指定)
アレノ
ソレノ
コレノ
ドレノ?
ワレノカレノ
ノ(指定)
チ(方向)
アノチ
ソノチ
コノチ
ドノチ?
カノチ
ナタ(尊称)アナタ
ソナタ
コナタ
ドナタ?
カナタ
ヤツ(蔑称)アヤツ
ソヤツ
コヤツ
ドヤツ?
カヤツ
ウ(状態)アウ(アア)
ソウ
コウ
ドウ?
副詞?
(母音を伸ばす)

かおる
これ、微妙に、怪しくないですか?

つづき
これは、「古代あそこど」の研究用じゃ。 学校教育で習う「こそあど」としては、不適切と認めよう。
よい子は、おぼえちゃだめよん。
かおる
そんな紛らわしいもの、サイトに乗せちゃだめでしょ〜。
それに、国語学の文法にも諸説あって、いまでもはっきり決まったわけでも無いみたいですね?
代名詞は名詞に含まれるとかどうとかなんとか言われているみたいですし?

つづき
では、わしの考えを述べよう。 はっきりいって「名詞」と「代名詞」は別の品詞として捉えるべきである。
古代において、モノに名詞が無かった頃、すべてのモノはまず最初に、「代名詞」で呼ばれたはずじゃ。
代名詞は言語において、最も根源的なものであるのじゃから、名詞とはわけて考えなければ、
古代のヤマトコトバを探り当てることは出来ないのでる。

かおる
まあ、どうでもいいですけどね。

つづき
とはいうものの、この図のように、一音づつの基語の組み合わせで、
すべての代名詞が形成されていることがわかるじゃろう。
代名詞とはいっても、音節ごとに分解すれば、「基語」という古代ヤマトコトバが見えてくるわけじゃな。


ほんとかな?「代名詞に使われた基語」表
基語意味
ア・カ長距離代名詞: (ア/遠くの場所) (カ/遠くの人・他人)
ソ・ナ中距離代名詞: (ソ/近くの場所) (ナ/近くの人)
コ・タ近距離代名詞: (コ/ここの場所) (タ/ここの人)
ド・ダ濁音で疑問を示す語句:「どれ?(場所)」「だれ?(人)」
自称代名詞
周囲を示す語句:「〜の周辺」
限定、命令する語句:助動詞?
方向を示す語句:土地、場所
ナタ名詞:尊称 (ナ/近くの人) (タ/ここの人) = 身近な人を慕う語句か?
ヤツ名詞:蔑称 (ヤ/多い) (ツ/集まり) = 反抗集団のことか?
指示し、定める語句:「名詞+の」
ンナ形容する語句:「〜の様な」形容動詞?
副詞:母音を伸ばして状態の継続を示す

つづき
どうじゃ? 距離を表す基語の組み合わせで「アソコ・アナタ・カナタ」という語が出来上がっておる。
語句の対応を考えると、古代では、「カソコ」という語もあったかも知れぬて。
かおる
ええと、まってください。 古語辞典を見ると……「かそけし」という語がありましたね。
「ほのか、かすか」という意味らしいです。
つづき
アソコ・アナタ」が有るなら「カソコ(かすか)・カナタ」という語も有ったと考えられるな。
あそこの、あなた」に対して、「かそこな、かなた」という言い回しがあったのじゃろう。
カソコ」が、「かすか・かそけし」に転じたに違いない。
しかも、「カナタ」は、基語表から、「遠くの人+身近な人」を指して言う意味もあるようじゃから、
カナタ」は、遠方という意味に加えて、「遠くに居る、親しい人」という意味があったようじゃな。
アソコ」も、「遠くにある、身近なモノ」という意味じゃったに違いない!

かおる
辞書には載ってませんが、言葉の意味は間違ってないようですねえ。

つづき
あ〜、そこで、わしは、ひとつ問題提起したい。
カソコ」が、「かすか」に転じたなら……。
かおる
カソコ」が、「かすか」に転じたなら?

つづき
アソコ」が、「あすか」に転じたのではないか?

かおる
…………………………………………。

つづき
カンガルー」という名が、アボリジニの言葉で「わからない」という意味で名づけられたように、
地元の民族が「アソコ」と代名詞で呼んでいたのが、他民族が「あすか」という名詞と勘違いして、
そこから「飛鳥」という地名が生まれたに違いない!

かおる
僕は、そんなしょうもない説は、絶対っ支持しませんよっ!!
だいたい、カンガルーの件だって俗説という話もありますですよっ!!
つづき
なぜじゃ? 理論の飛躍はどこにもないぞよ?
「アソコ」が「飛鳥」になって、何がおかしいのじゃ?

飛ぶ鳥の、アソコ」と言っても何もおかしくないぞよ?


かおる
やだやだやだっ! そんな格好悪い話は却下却下大却下!!!

つづき
ふふん。 真実はひとつじゃ。 いずれわしの正しさが証明される日も来よう。

かおる
僕が認めても、奈良県民1,434,050人(平成16年1月1日・奈良県総務部統計課調べ)を、
敵に回すことになりますよ? いいんですねっ?
つづき
落ち着きたまえ。 もっと、冷静に、学術的に、考えねばならんぞ。
では、その「ナラ」という言葉も調べてみよう。 基語表を見てみれば、ほらあった。
ナ(近くの人)」「ラ(〜の周辺)」という意味であるな。
う〜む。 しかし、これだけでは、判然とせぬのう。

かおる
言っておきますが、「均す」という意味の「ナラ」というのが定説ですからね?
あと、間違っても朝鮮語ではありませんよ?
つづき
基語表に基づき、「ナ・ラ」を調べれば、「近くの人がいる周辺」という意味が導かれるわけじゃが、
ようするに、意味的には、「」のようなものじゃったのではないか?
かおる
なんだかな〜。

つづき
ああ! わかったぞ!
かおる
何が、わかったんですか?

つづき
アナタ・コナタ・ソナタ」の「ナタ」という語句を見たまえ!
これは、人を指す「尊称」の意味なわけじゃが、「」自体に、尊称の意味があったのではないか?


数字の「」も、神聖視する意味で「ナナ」と尊称を重ねたのじゃろう。


かおる
ふむふむ? それで?

つづき
」は、「〜の周辺」という意味じゃから、つまり、「ナラ」とは、「尊い周辺」となる。


そのものズバリ、「奈良の語源は桃源郷」なのじゃ!


かおる
奈良県民への、フォローのつもりですか?
そんな子供だましに、乗せられませんよ。
つづき
いや、その。 学術的な分析結果じゃよ。 本当に。







付録・年表




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