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「ク語法」の謎
Feb.24.2004
つづき
「ク語法」というのを、知っておるかな?
かおる
「ク語法」というのは、語尾に「ク」のつく語句の現れ方ですね。
連体形に、「あく」という語句がついたものと、近代になって唱えられました。 以下のような用例があります。
言はく=言ふ+あく
老いらく=老いる+あく
思はく=思ふ+あく
恐らく=恐る+あく
すべからく=する+べき+(ある?)+あく
ていたらく=てい(体)+たる(怠る)+あく
ならなく=ならぬ+あく
願はく=願ふ+あく
読まなく=読まぬ+あく
なくす=ぬ+あく+す
つづき
「ク語法」というのは、手元の古語辞典によると、
明治5年に、イギリス人のアストンが示したとあるな。
かおる
「あく」という語句が、単独で用いられたケースが無かったため、
文法構造が、解り難かったということらしいですね。
つづき
それにしても、「あく」とは、どういう意味じゃろうかのお?
わしは、それが気になって気になって……。
かおる
意味的には、「〜こと」と、訳すと、意味は通じますね。
「あく」自体の用法は、忘れられているようです。
つづき
いや、まて。 「あく」が、忘れられたとしても、「こと」に置き換えられて、残されておらぬじゃろうか?
「こと」がつく語句は、「あく」とも、言い換えられたりせぬじゃろうか?
かおる
そんなに、単純じゃないでしょう?
つづき
たとえば、こんなふうにじゃ。
こと=あく
しごと(仕事)=しあく(使役?)
ことごと=あきあき
ことなし=あくなき
ことがら=あくがれ(憧れ)
ことわり(理)=やくわり(役割)
かおる
なんだか、無理やりっぽいですね〜。
つづき
やはり、そうかの? う〜む。これは、困ったぞ……。
かおる
何が、困ることがあるんですか?
つづき
その昔、いったい誰が「あく」と言う語句を使い、
「ク語法」を生み出した後、どうして、痕跡も残さず廃れてしまったのか?
かおる
なるほど、そっちに行きましたか。
う〜ん。 どうなんでしょうねえ? 地域的な方言だったりしたのかも?
つづき
この件は、とりあえず、追加リサーチが必要であろうて。
かおる
あれ? 今日はここまでですか。
つづき
いや、ちょっと、すぐには調べがつかんよ。 いくらなんでも。
かおる
一発、すごい説を期待してますよ〜。
つづき
すごいとか、そういう問題ではなかろうが。
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