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河童の正体を明かせ!
Feb.10.2004
つづき
かおる君は、「河童」の正体とは何じゃと考えておるかね?
かおる
「河童」とは、川にすむという伝説の妖怪ですね。
でも、これは川で溺れた人を、なんでも「もののけ」のせいにしていた昔の人の迷信でしょう。
つづき
では、「かっぱ」という語彙は、どこから生まれて来たのかのお?
かおる
「かわ」から、なんとなく転じたんじゃ、ないでしょうか?
「川の童(わらし)=かっぱ」とか。 中国古代には、「河伯」という川の神様もいたらしいですね。
つづき
ん〜。 惜しい。 近いところまで行ったのじゃが。
かおる
というと、師匠は、河童の語源、河童の正体が、何か、ご存知なんですか?
つづき
語源も何もありゃせんわい。
「かっぱ」とは、「川」そのものなのじゃ!
かおる
ほほぉ?
つづき
古語辞典で、「川」を引いてみるとよい。 川は、「かは」で引かなければならぬ。
これが、どういう意味か、わかっておるかな?
かおる
昔の人は、「川」の「わ」を、「ふぁ」と、発音していたからですね。
今とは違う、「ふぁ、ふぃ、ふ、ふぇ、ふぉ」と、言う、「f音」の発音があり、
それが五十音のハ行「h音」で、書き表されました。
だから、昔の人は、「かふぁ (kafa)」という音に、「かは」という字をつけたわけです。
「は、ひ、ふ、へ、ほ」という発音は、無かったとされていますので、
実際に「かは (kaha)」と言っていたわけではありません。
「かふぁ (kafa)」が、近年になってから、「かわ (kawa)」と転じたわけです。
ちなみに、もっと昔は、ファ行「f音」は、パ行「p音」だったと言われていますね。
あ、そうか!
だから、「かふぁ (kafa)」は、昔は、「かぱ (kapa)」という発音だったんだ!
そこから、「かっぱ」という言葉が生まれたんですね!
つづき
ん〜。 惜しい。 ますます、近いところまで行ったのじゃが。
かおる
え? まだ、だめですか?
つづき
「かっぱ」の語源が、「かぱ (川)」ならば、今現在「川」が、「かわ」と発音しているように、
「かっぱ」も、「かっふぁ」「かっわ」と、転じてもよかったはずではないか?
かおる
う〜ん? たしかに。
「かぱ」は、「かわ」に転じたのに、「かっぱ」は、「かっぱ」のままですねえ?
つづき
ヤマトコトバとして、「かぱ」は、言いにくく、「かっぱ」は、言いやすかったということじゃ。
川は、「かぱ」ではなく、昔から「かふぁ」と呼ばれていたと考えられるじゃろう。
「かふぁ (川)」と、「かっぱ (河童)」は区別された語句だったのじゃ。
かおる
え〜? それは変ですよ? さっきも、川と同じ意味だって言ってたでしょ〜?
川が、「かふぁ」だとしたら、誰が、川から、「かっぱ」と名づけたんですか?
つづき
渡来人じゃ。
かおる
ど、どうして、ですか?
つづき
渡来人は、日本語の「ふぁ (fa)」を、「ぱ (pa)」と訛って発音していたのじゃ。
すると、どうじゃ? このようなストーリーが考えられるぞよ。
昔々、武蔵の国の、ある日のこと。
渡来人の親子が、川でなかよく遊んでおった。
小さな子供は、流れに足をすくわれ、川に溺れて、流されてしもうた。
渡来人の親は、近くに住む、日本人の家族に助けをもとめた。
日本人の家族が聞いた。 「どうなされました?」
渡来人の親は、川を指差し、叫んだ。 「子供が、か、かっぱに!」
日本人は思った。 「川に、かっぱという妖怪が出たのか?」と。
これが、かっぱ伝説のはじまりじゃった。
かおる
本当ですか〜?
渡来人が、そんなふうに、訛ってたなんて、どうしてわかるんですか?
つづき
よく知られたことらしいのじゃが…………。
かおる
何が?
つづき
韓国人は、英語の"F"の発音をしようとすると、"P"の発音になってしまうそうじゃな。
たとえば、「IF」を発音しようとすると、「イプ」となってしまうそうな。
当然、「かふぁ」も、「かぱ」となるじゃろうな。
かおる
う〜む。 そ〜か〜……。 河童の起源は、韓国語だったのか……。
あまりにも、ミモフタも無い、夢もロマンも無い説ではあるけれど、言われてみれば……。
つづき
「かっぱ」の言葉が先にあり、河童の姿については、後からいろいろ想像されたのであろうな。
河童の起源は、川を「かふぁ」と言っていた室町時代まで遡れようぞ。
かおる
1000年前の日本人の「p音」の正体は、本当に、渡来人の訛りの影響と考えられますね。
走るの「パシリ」も、日本の「ニッポン」も、韓国語訛りだったのかなあ?
つづき
手前味噌じゃが、この真理に行きついたのは、わしが初めてではないじゃろうか?
かおる
天狗になっちゃ、だめですよ〜。
妖怪マニアからみたら、大ヒンシュクでしょうからね〜。
つづき
し〜。 内緒にしておこうな。
付録・年表
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