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縄文語をさぐる大晦日
Dec.31.2003
はい、のっけから、チベットから脱線してますが、
大晦日だというのに、古語辞典とにらめっこしてたりします。はい。
脱線ついでに、引き続き日本語の起源の話をネタにしてみよう。
「梵字を読むならカタカナで」「ヤマトコトバの行方」も併せてどうぞ。
そもそも日本語の起源はどこにあるのであろうか?
日本語は、インド・ヨーロッパ語族に含まれるとも、孤立した語族であるとも言われる。
古くは縄文時代に話されていたであろう縄文語が基礎になるのであろう。
すると、ヤマトコトバの原型の考えるなら、縄文語の成り立ちを調べねばならないだろう。
その前にいろいろ整理してみる必要がある。以下は、私なりの考えである。
- 日本語に近い語族がみあたらない。
単語は縄文語由来で、文法は後の渡来人からの影響があったように思う。
縄文語の語彙を主体に、渡来人の文法と混成されて日本語が出来たのだろう。
文法や助詞等を除いた、ヤマトコトバの語彙は、縄文語をひきついでいると思うのだ。
日本語が孤立語のように見えるのも、縄文語の成立時期が大変古いためだろう。
ところで、日本語を語るときにまで、なぜ言語学者はクレオールなどとカタカナを使うのか?
クレゾールみたいで紛らわしい。
- アイヌ民族、琉球民族は、縄文語を話していたか?
どちらも縄文人の末裔で、日本民族と同根と捉える説もあるが、どうも政治的な匂いが伺える。
どちらも縄文人とは別系統であり、アイヌ語から縄文語を推察する試みは無理があるのではないか?
特にアイヌ語は、ヤマトコトバと、文法も語彙も異なる言語としか思えないのだが。
琉球語にしても、かなり大陸からの影響の方が濃いのではないだろうか。
- ヤマトコトバの音節は、五十音だったとは限らない
五十音表は、インドが発祥の発声理論を基礎にした発音記号である。
インドの発声理論では子音は「カ、サ、タ、ナ、パ、マ……」の順になっている。
発声理論にしたがえば、ハヒフヘホは、「p音」つまり、パピプペポの発音記号ということになる。
当時の日本人は、ハヒフヘホとは喋らず、パピプペポと喋っていたのだろうか?
いや、五十音表は、インドの発声理論を、ヤマトコトバに強引にあてはめているにすぎない。
これをもって、当時の日本人がハヒフヘホを「p音」で発音していたとは言えないのではないか?
ヤマトコトバの音節はもっと豊富だったかも知れないし、もっと少なかったかもしれない。
日本語の起源を考えるとき、五十音表は忘れたほうがよさそうだ。
- 古代のヤマトコトバの「ハヒフヘホ」は、本当に「p音」だったのか?
ハ行が、ファ、フィ、フ、フェ、フォ、というような、「Φ音」だったことは確かなようだが、
ハヒフヘホを「p音」で発音したとしたら、五十音が持ち込まれてからの影響が考えられる。
漢文の文献を残した学者が渡来人だっため、執筆者の訛りが影響した可能性もある。
その後、百年たらずでハヒフヘホの「p音」が廃れたのは、
もともとのヤマトコトバの語彙の音韻に「p音が」調和しなかったからだろう。
「p音」を発音しなければならない場合、わざわざ「ッ」をつけて苦労して発音していた形跡がある。
例えば「日本を、追い払う」は、「ニッポンヲ、オッパラウ」のような、言い難そうな喋り方になる。
もし、そのまま「p音」で発音していたならば「ニポンヲ、オイパラウ」となる。
こうして見ると、もはや日本語の音韻では無く、大陸系の訛りというのがよくわかるアルネ。
数字を数えるときも、「ヒイ、フウ、ミイ」と数えるのがヤマトコトバであり、「ピイ、プウ」とは言わない。
ちなみに「イチ、ニイ、サン」と数えるのは大陸由来の方言である。
「一本、二本、三本」は、「ヒトホン、フタホン、ミホン」と喋るのがヤマトコトバとして正しく、
「イッポン、ニホン、サンボン」と喋るのは大陸系渡来人の「訛り」なのである。
ヤマトコトバの数え方より、渡来人の数え方のほうが、理にかなっていたために一般化したのだろう。
そもそも、数え方に助数詞をつけるのことも漢語が元になっている。
渡来人が日本の言葉使いにも大きな影響を及ぼしてきた証でもある。
- 弥生時代に伝わったとされる稲作のジャポニカ米は、南方の大陸が起源である
遡れば、ヤマトコトバに「p音」を持ち込んだのは大陸系弥生人だった可能性もある。
昔の日本人がハヒフヘホを「p音」で話していたとすれば、
渡来人の話し言葉の影響を無視できないであろう。
あるいは、日本の文化形成の歴史に、渡来人が大きな関わりをもっていた事実を認めたくないがために、
日本人も、もとから「p音」を使っていたと解釈したいという、
そのような政治的な意図が働いているのかも知れない。
いずれにしても、土着の縄文人が、ハヒフヘホを「p音」で話していたとは断定出来ないと思うのである。
むしろ、堂々と「ハヒフヘホ」と喋っていましたと胸を張ってもいいのではないだろうか。
というわけで、日本語の起源である、古代のヤマトコトバにも、
「ハヒフヘホ」は存在したものとして話を進めようと思う。よろしゅうございますね?
で、今日は大晦日であります。
「オホミソカ」の「ミソカ」というのは「三十日」という意味なんですね。つまり月末なんですね。
「オホ」が付くと年末になるんですね。
で、この「カ」ってのは助数詞で、暦が伝わってきてからの言葉だから、大陸由来の言葉なんですね。
厳密にはヤマトコトバのようで違うものなんですね。
ヤマトコトバには、「日にち」という語彙はなかったみたいなんですね。
これを、むりやりヤマトコトバで言うと、「オホミソヒ」となるのでしょうね。
「オホミソヒ」いいですね。雅な響きがあるますよね。
これがもし「オポミソピ」だったらどうですか?
なんかイヤですよね。
ね?
「ネ?」っていうのは、相手に同意を求めるときのヤマトコトバですよね。
わかりましたね?
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