ぺたっ ちゅるるっ べちょっ
ほとんどがむき出しになり、桜色に熱を帯びて揺れる少女の肌に次々と触手が吸い付く。
その度に、異界の媚薬で全身の神経が敏感に変質した
アニーの体をすさまじい快感の電気ショックが襲った。
「あ、だめっ、そこは…」
「そこに触っちゃだめぇ!」
首筋に、脇腹に、手のひらに、新たな触手が付着すると
アニーは気が狂いそうな感覚にさいなまれて身をくねらせた。
捜査官としてのプライドを保つ余裕はすでにない。
彼女は幼女のように拒絶の言葉を繰り返した。
じくじくじゅくじくじゅくじくじくじく
ギャラリーが伸ばした触手はゼリーを凝固させた繊毛で彼女の柔らかい肌を責めたてる。
「ひあっ くあっ ああああっ」
アニーは自分を失い、触手の責めのままに乱れ始めた。
下半身を押さえ込んだアメーバはイボの形状を毎秒
変化させながらアニーの体を突いている。
挿入部の周辺には繊維状に伸びたアメーバが群がり
ミクロの指となって襞と突起を細かくもてあそんでいた。
「ひあっ ああん や、やめてっ いじらないでっ」
胸に取り付いたアメーバは吸盤の形に姿を変え
その内側に蛆のような小触手を生やそうとしている。
繊毛触手繊毛触手繊毛触手棘粘液棘 粘液突起繊毛触手繊毛棘触手棘粘液
触手突起繊毛触手棘繊毛触手棘粘液 繊毛触手繊毛触手繊毛触手棘粘液棘
繊毛突起繊毛棘触手繊毛触手棘粘液 粘液突起棘繊毛触手粘液触手棘粘液
粘液突起繊毛触手繊毛触手棘粘液棘 繊毛突起繊毛触手繊毛触手棘粘液棘
棘粘液突起繊毛触手突棘起繊毛触手 突起繊毛触手突棘粘液起繊毛棘触手
繊毛触手棘粘液棘粘液突起繊毛触手 粘液突起繊毛触手繊毛触手棘粘液棘
粘液突起繊毛触手繊毛触手棘粘液棘 繊毛触手繊毛触手棘繊毛触手棘粘液
突起繊毛触手突棘粘液起繊毛棘触手 粘液突起繊毛粘液繊毛粘液棘粘液棘
触手突起繊毛触手繊毛棘触手棘粘液 繊毛突起粘液棘触手繊毛触手棘粘液
粘液触手繊毛触手粘液触手棘粘液棘 粘液触手繊毛触手繊毛触手棘粘液棘
繊毛突起繊毛触手棘繊毛触手棘粘液 繊毛突起繊毛棘粘液繊毛繊毛棘粘液
粘液突起繊毛触手繊毛触手棘粘液棘 粘液突起繊毛触手繊毛触手棘粘液棘
倉庫の床にはりつけになったアニーの意識に
処理しきれないほど大量の感覚が流れ込む。
彼女の自我はその感覚情報の中に埋没しつつあった。
何のために厳しい訓練を乗り越えて来たの?
故郷を滅ぼした敵が憎くないの?
頭の片隅で誰かが言っていた。
だがその声は洪水となってあふれてくる快楽のノイズにかき消されてしまう。
「あはっ、うんっ……くはあっ…ああああ……はあ……んくっ」
快感にまったく耐性のない少女は銀河系で最も強い媚薬を飲まされ
誰はばかることなく乱れに乱れていた。
「あっ はっ やっ や、め、てぇ…らめぇ…そこは…そこはらめぇ…」
これ以上この仕打ちが続けば自分は発狂してしまうだろう。
この記憶を背負って生きていくよりはその方が幸せかもしれない。
アニーは薄れゆく意識の中でそう考えた。
それと同時に、全身を襲うアメーバの攻撃が弱まりだした。
ピストン運動は止まり、数百万本の繊毛が蠕動をやめて元のゼリー状に戻っていく。
ふいに猛烈な刺激から解放され、アニーは少しずつ自分を取り戻していった。
まだ手足を動かすことはできないが、周囲は穏やかなゼリーの海にすぎなくなっている。
いったい何が起きたんだろう?
アニーがいぶかしんでいると、彼女の両足の間のゼリーがゴボゴボと盛り上がった。
盛り上がったアメーバは徐々に形を整えていった。
それは半透明の物質でできた人間の頭部だった。
のっぺりした中性的な顔に浮かべられた意味の汲み取れない微笑。
そして見まがうことのない特徴的な冠。
フーマの神官だった。
知性のないアメーバを精神感応能力で操っていたのはフーマの神官だったのだ。
憎きフーマたちは、媚薬に狂わされたアニーの痴態を
神官のテレパシーを通してこれまでずっと楽しんでいたに違いない。
「いやあああああああ!」
アニーは悲鳴を上げた。
いつの間にかアニーの周囲のアメーバも神官たちに姿を変え
気味の悪いニタニタ笑いを浮かべている。
時々形が崩れて神官たちの顔から垂れるアメーバが、糸を引いて滴る唾液のように見えた。
「きゃああああ!いや!いや!いやあああああああ!」
アニーは声を枯らして泣き叫び続ける。
目の前の神官は満面の笑みをたたえている。
ニタリと開いたその口から異様な舌が現れた。
その舌は見る見る20cm以上に伸びると、じょりゅっ、と音を立てて表面に繊毛を生やした。
神官は笑みをたたえ舌を伸ばしたまま、アニーの股間のゼリーの海に沈んでいく。
「くっあああああああああ〜っ!」
ゼリーの中で神官の舌が挿入されるのがわかった。
すぐに激しい蠕動が始まる。
周囲の神官たちも似たような舌をアニーが浸る粘液の中に差し込んでいく。
繊毛に包まれた触手はネバネバの池にはまったアニーを再びとらえた。
「あうっ…うんっ…くはっ…ああああっ!…うわああああああ!」
じくじくするような狂おしい感覚が体中を這い回る。
ゼリーに浸り天井を見上げて脳乱するアニーの視界に
粘液で再現された神官たちの顔が入ってきた。
薄笑いをたたえ無気味な舌を生やしてアニーを見下ろすその顔には
すでに無力となった少女を殺すこともせず発狂させることもせず
ただ捜査官としての意思のみを剥ぎ取ろうする不吉な慈悲が浮かんでいた。
〜完〜
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