間違ってるかもしれない音楽理論
December.17.2007
「なぜ、ピアノの鍵盤のミとファの間には黒鍵が無いのだ?」
子供の頃から、この疑問を抱き続けていた私は、その後の音楽の授業にはまったくついていけず、
中学時代の音楽の成績は「1」でした。 もちろん「トップ」という意味ではありません。
1オクターブは、12の半音に分割されていて、
「黒鍵/白鍵は半音づつ離れており、ミとファは半音しか違わないから黒鍵が無い。」ということを認識したのは、
高校卒業してからだと思います。
どうりで、音楽の授業がちんぷんかんぷんだったはずです。
それまで、白鍵の音が均等で、黒鍵は、その中間の音だと思っていたわけです。
この理屈を知らずに、ハ長調とか、ホ短調とかで押さえる鍵盤が変わる理由が、わかるわけないじゃないですかっ!
音楽の時間に紙飛行機を飛ばして遊んでる児童を叱る前に、もっとちゃんと教えて欲しかったものです。
子供の頃に、DTMのピアノロールを知っていれば、もっと理解しやすかったでしょう。
というわけで、今頃わかってきた音楽理論を、また忘れないうちに個人的にメモしておこうというコーナーです。
もちろん、かなりの部分で間違って認識してる恐れがありますが、その場合は、後でこっそり直したりすればへっちゃらです。
ですので、他人が鵜呑みにすることは、大変キケンですのでご注意を。
「なぜ、ドレミファソラシドがあるのだ?」
いまだに謎です。
ピアノの黒鍵/白鍵は半音づつ離れており、シ-ドとミ-ファは半音しか違わないから黒鍵が無いのは、わかりました。
DTMのピアノロールで見ると、1オクターブは12分割されています。
ピアノの鍵盤は、それを「白黒白黒白白黒白黒白黒白」と割り振ってるわけですが、
どうして1オクターブを12分割して、この並び方パターンになったのでしょうか?
「他のパターンもあったけど、いろいろ事情があって、演奏しやすいように、そうなった。」ということでしょうか?
それにしても、「ドレミファソラシド」と言う時、リズミカルなメロディを感じる人の脳も不思議です。
全部半音づつだったり、全音づつだと、だめみたいで、「シ-ドとミ-ファが半音しか違わない」ことがミソらしいです。
ようするに、↓のような、音の高さの並びがあると、リズミカルに聞こえるようなのです。
[ド(全音)レ(全音)ミ(半音)ファ]
[ソ(全音)ラ(全音)シ(半音)ド ]
という[全音−全音−半音]という音のならびの単位があって、これを[テトラコード]と言いうらしい。
[テトラコード]−[全音]−[テトラコード]と、繋ぐと、
[ド(全音)レ(全音)ミ(半音)ファ(全音)ソ(全音)ラ(全音)シ(半音)ド ]となり、
これをダイアトニックスケール(全音階)とか、メジャースケール(長調)というらしい。
また、
[ラ(全音)シ(半音)ド(全音)レ(全音)ミ(半音)ファ(全音)ソ(全音)ラ ]と並べると、
短調、ナチュラルマイナー・スケール(自然的短音階)になるらしい。
短調は他にもハーモニックマイナー・スケール(和声的短音階)や、
メロディックマイナー・スケール(旋律的短音階)というのがあるらしい。
上りか下りかでも、違うらしい。
ハーモニックマイナー・スケール
ラ(全音)シ(半音)ド(全音)レ(全音)ミ(半音)ファ(増2度)ソ♯(半音)ラ
メロディックマイナー・スケール
ラ(全音)シ(半音)ド(全音)レ(全音)ミ(全音)ファ♯(全音)ソ♯(半音)ラ
メロディックマイナー・スケール
ラ(全音)ソ(全音)ファ(半音)ミ(全音)レ(全音)ド(半音)シ(全音)ラ
ト長調とか、ロ短調とかいうものは、音階の一番下の音が、どの鍵盤から始まるかで決まるものらしいのです。
ピアノロールでみると、単純に音の並びが上下移動してるだけです。
なんて単純なんだ!
ピアノの本でもギターの本でも、必ずキッカイなコード表がついていますが、
もう、あれを見ただけで自分には音楽は無理だと思ってしまうではないですか?
諸悪の根源は、あの五線譜だ。
五線譜にシャープやフラットがいっぱいついてたら、誰しも身構えるじゃないですか。
でも、ピアノロール上では、音が数段上下してるだけです。
範囲選択して、上下にドラッグすればいいだけの話。
私はもっと複雑怪奇で人知を超越したロジックがそこに働いているものだとばかり思っていました!
これから、音楽の授業は、最初からピアノロールを使って教えたほうがよい!
私のような被害者が一人でも減るように!
ピアノロールを使うと、音楽にコードの概念すら必要なのかどうか疑わしく思えてきます。
ある時間範囲内(小節とか)で、任意の音の高さを音階の基音にして「耳障りの良い」和音を使用するかということでしょう。
音楽理論というと、人間が理屈をこねてひねり出したの後付の解釈のような気がしてきます。
現実世界で他の多くの楽器と合奏する際に、音あわせで必要なものなのかも知れませんが。
ぶっちゃけ、音楽とは、1オクターブを12分割して、全音2〜3回に、半音一回と、
音の高さをばらけさせて鳴らす構造にすると心地よいらしいのです。
「作曲は難しいのか?」
上の図をみてもわかるように、音階とはテトラコードが繋がってるだけなのです。
ピアノロールで、音の高低の開きが、2段(全音)−2段(全音)−1段(半音)のパターンになっていて、
その音の高さのみ、発音するようにすれば音楽っぽくなります。
というわけで、作曲とは↓のような作業の繰り返しといっても良いでしょう。
1.まず、ピアノロールで、1オクターブ分の12音階に注目
一番下の音は、AでもCでも何でも良い。
後から、「何コード」という説明がされるだけ。
2.鳴らしたい音を、とりあえず7つくらい選ぶ。
7つでなくても良い。 なるべく、ばらけるようにする。
ここで選ばずに、次に音を置いていくときに、決めていっても良い。
3.鳴らすと決めた音だけに、1小節ほど、適当にテンポよく音を並べて出来上がり。
後は、試し聞きしながら、お好みで上下左右にムーブすればよろしい。
4.ループで回せばあら不思議。
音楽みたいに聞こえるよ。
一応、コードの展開を知ってると、長い曲とか作りやすいようです。
そのへんは、ちゃんとした本でも読んで、おいおい、学んでいけばいいんじゃないかと思います。
この程度の知識だと、どの程度の作曲が出来るかというと、こんな感じになるわけです。
「なぜ、1オクターブでドレミファソラシドが繰り返されるのか?」
この謎は、科学的に解明できそうです。
「音楽とは科学では解明できないもの」と思い込んでいたので、考えるのをやめた=勉強するのをやめたのですが、
科学的に解明できるのであれば、小学生の時からちゃんと教えてください先生。
現代では、調律をするときに「ラ」の音を440ヘルツとしているようです。
なぜ、「ラ」が440ヘルツなのか?は、現代の調律の問題で、必ずしも440ヘルツとは限らないようですが。
昔から奏でられてる「ラ」の音を計測してみたら、440ヘルツに近かったので、きりよく440ヘルツに決めたのでしょう。
モーツァルトの時代はもっと低かったらしいですが。
そして、「ラ」の音の振動数が440ヘルツであるのに対し、1オクターブ上の「ラ」は、2倍の880ヘルツです。
「ド」と1オクターブ上の「ド」は、音の振動数では、1:2の比率関係にある
振動数が倍の音は、音の高さが違っても同じ「ラ」の音に聞こえるわけです。
人間の耳の構造(鍋牛の中の有毛細胞が特定の音波を電気信号に変えて脳に送る)と大脳生理学的な認知の問題でしょう。
こういうふうに説明されれば、小学生でもちゃんと理解できますよ。
かなり間違ってるかも知れませんが。
「平均律ってなんだ?」
音楽の基礎知識を調べると、必ず「平均律」という単語が出てきます。
平均律とは何かというと、1オクターブを平均に12分割した音階のことのようなのです。
440ヘルツの音と、その2倍の880ヘルツの音の間(1オクターブ)を、「平均律」で12等分するということは、
440ヘルツから、「2」の「12乗根」(約1.05946)づつ振動数が増えていくように12音に分割するということなのです。
440*1.05946^12=880
「ラ」=440
「シ」=440*1.05946=466.16
「ド」=440*1.05946*1.05946=493.88
| |
音 | ラ | ラ# | シ | ド | ド# | レ | レ# | ミ | ファ | ファ# | ソ | ソ# | ラ |
ヘルツ | 440 | 466.16 | 493.88 | 523.24 | 554.35 | 587.32 | 622.24 | 659.24 | 698.44 | 739.96 | 783.96 | 830.58 | 879.96 |
なんか、上の計算がいいかげんなためか、多少の誤差はありますが、おおむねこんな感じでしょう。
平均律音階は、転調がしやすいという利点があるそうです。
つまり、ピアノロールで、ぐわっと範囲指定して上下に動かせば簡単に転調できてしまえるという恩恵は、
この平均律のしくみにあったわけですね。
「和音ってなんだ?」
ところが、この平均率ですと、和音が濁ってしまうということらしいのです。
綺麗な和音になるためには、音の振動数が整数比でないとダメらしいのです。
これを純正律音階(自然音階)と言うらしいです。
例えば、「ド」と隣の「レ」は、音の振動数では、8:9の比率関係にあるということらしいです。
ド:レ | レ:ミ | ミ:ファ | ファ:ソ | ソ:ラ | ラ:シ | シ:ド |
8:9 | 9:10 | 15:16 | 8:9 | 9:10 | 8:9 | 15:16 |
全音 | 全音 | 半音 | 全音 | 全音 | 全音 | 半音 |
このように整数の比率にすると、あら不思議。 離れた音とも整数比になったりします。
ド:レ | レ:ミ | ミ:ファ | ファ:ソ | ソ:ラ | ラ:シ | シ:ド |
8:9 | 9:10 | 15:16 | 8:9 | 9:10 | 8:9 | 15:16 |
全音 | 全音 | 半音 | 全音 | 全音 | 全音 | 半音 |
ド−ミ | ミ−ソ |
4:5 | 5:6 |
ド−ミ−ソ |
4:5:6 |
ド−ソ |
2:3 |
いわゆる和音として最初に覚えさせられた「ドミソ」が、綺麗な振動数の比率[4:5:6]になります。
こ、これが、「和音」の原理だったのか!!
今、気がついたよ先生!
「ド」と同時に鳴らす場合、隣の音「シ・レ」よりも、離れた音のほうが比率が綺麗になるので、響きが良くなるということみたいです。
基ド:レ | 基ド:ミ | 基ド:ファ | 基ド:ソ | 基ド:ラ | 基ド:シ | 基ド:ド |
8:9 | 4:5 | 3:4 | 2:3 | 3:5 | 8:15 | 1:2 |
上記は純正律の長音階ですが、純正律の短音階では、別の比率を用いるということのようです。
基ラ:シ | 基ラ:ド | 基ラ:レ | 基ラ:ミ | 基ラ:ファ | 基ラ:ソ | 基ラ:ラ |
8:9 | 5:6 | 3:4 | 2:3 | 5:8 | 5:9 | 1:2 |
ただし、この場合、振動数の違う長調と短調の和音が重なるとまた音が濁ってしまうという問題があるようです。
「平均律と、純正律との違いって何だ?」
「平均律」は、数学的に、1オクターブを12等分したものです。
「純正律」は、半音の間隔を整数比になるように分割したものです。
振動数に置き換えると、微妙に違ってきます。
| |
音 | ラ | ラ# | シ | ド | ド# | レ | レ# | ミ | ファ | ファ# | ソ | ソ# | ラ |
平均律 ヘルツ | 440 | 466.16 | 493.88 | 523.24 | 554.35 | 587.32 | 622.24 | 659.24 | 698.44 | 739.96 | 783.96 | 830.58 | 879.96 |
純正律 ヘルツ | 440 | - | 495 | 528 | - | 594 | - | 660 | 704 | - | 792 | - | 880 |
純正律では、半音を、となりの音と「15:16」とするようなので、面白い現象が起こります。
平均律では、「ド#」と、「レb」は、同じ音になりますが、純正律では、「ド#」のほうが「レb」よりも少し音が高くなります。
ド | : | ド# | = | 15 : 16 | = | 528 | : | 563.2 |
レ♭ | : | レ | = | 15 : 16 | = | 556.87 | : | 594 |
平均律 | ド | ド# / レb | レ |
ヘルツ | 523.24 | 554.35 | 587.32 |
純正律 | ド | レb | ド# | レ |
ヘルツ | 528 | 556.87 | 563.2 | 594 |
ド→レb→ド#→レの順番で音が高くなってます。
絶対音感な人は、聞き分けできるんでしょうなあ。
「完全音程って何だ?」
完全音程とは、音と音の振動数が、単純な整数比になってる音同士のことを言うらしいです。
同度 | 完全1度 | 振動数1:1 | 半音0 | |
ド−ソ | 完全5度 | 振動数2:3 | 半音7 | |
ソ−ド | 完全4度 | 振動数3:4 | 半音5 | |
1オクターブ | 完全8度 | 振動数1:2 | 半音12 | |
2オクターブ | 完全15度 | 振動数1:4 | 半音24 | |
ド:レ | レ:ミ | ミ:ファ | ファ:ソ | ソ:ラ | ラ:シ | シ:ド |
8:9 | 9:10 | 15:16 | 8:9 | 9:10 | 8:9 | 15:16 |
全音 | 全音 | 半音 | 全音 | 全音 | 全音 | 半音 |
ド−ミ | ミ−ソ |
4:5 | 5:6 |
ド−ミ−ソ |
4:5:6 |
ド−ソ | | 完全5度 |
2:3 |
| ソ−ド | 完全4度 |
| 3:4 | |
ド−ド | 完全8度 |
1:2 |
ド−−ド (2オクターブ) | 完全15度 |
1:4 |
「ドレミファソは必然的に存在する?」
こうしてみてくると、ドレミファソという音階は、自然界の中で自然に生じてきたもののように思えてきます。
まず、振動数1:2の1オクターブ離れた音「ド〜ド」があり、
その間には、振動数2:3の「ド〜ソ」、振動数3:4の「ソ〜ド」があるわけです。
「ド〜ソ」は、振動数4:5:6の「ド〜ミ〜ソ」に分解され、
1オクターブは、振動数4:5:6:8の「ド〜ミ〜ソ〜ド」の和音からなる音階が自然に成立してるわけですね。
この間を、さらに整数比で分ければ、「ドレミファソラシド」という音階が登場してくるわけです。
自然というのは、不思議だ……。
というわけで、本当は、純正律音階で音をつくったほうが、
DTMソフトの音階そのままの平均律音階よりも、和音の響きがいいことになります。
プロのDTM作曲家は、ピッチで調整したりなんてことしてるのかも知れませんね。
私はまだ、そこまで気がまわりませんが。
「なぜ、振動数が整数比だと心地よい和音になるのだ?」
音の波は整数倍のときに、共鳴するから?でしょうか……?
それこそ、人間の耳の構造(鍋牛の中の有毛細胞が特定の音波に強く刺激され電気信号に変えて脳に送る)と、
大脳生理学的な認知の問題かもしれませんが、よくわかりません。
「なぜ、心地よいメロディというものが存在するのだ?」
まったく、わかりません。 もっか、調査中。
これが、青とか赤の特定の色が、人に特定の感情を抱かせるというのなら、自然界の色との関係でなんとなくわかりますが、
メロディは、自然界に存在しないじゃないですか?
風のざわめきや波の音や、小鳥のさえずりとかに関係があるのでしょうか?
何か自然界には、人が意識できないレベルで、音楽が鳴っていて、普段はそれを知らないで暮らし、
あるメロディを聞くと、生理学的に過去の記憶と共鳴するなどして感動したりするものなのでしょうか?
それとも、メロディとは完全に人間の創作物で、人間の成育過程で、文化として「良い曲」を学習するものなのでしょうか?
だとすれば、世界のどこかの違った文化圏の人同士では、同じメロディに違った感情を抱いたりするものなのでしょうか?
こういうメロディには、どういう感情が沸き起こるのだろうか?
という理論的知識はまったく無いので、自分の心の奥底に響くメロディを手探りでまさぐってる今日この頃という感じです。
こういう考え方をロマンチックというらしいです。