VOCALOID


April.23.2008





ぼーかろいど観察日記




噂のぼーかろいどが、日々、生き物のように成長してるので、
観察日記をつけることにしました。





わたくしごと
学生時代音楽の授業は、紙飛行機を飛ばして遊んでいたので、音楽の基礎を知らずに育つ。
中学1年の音楽の成績で、まさかの「1」をもらい、自分には音楽の素養が無いのを自覚する。
成人してから中南米のフォルクローレに目覚めて、独学で音楽をいちから学び、やっと楽譜が読めるようになる。
20年前PC98時代にみゅ〜じ君を買う。MIDIをいじるが、音楽の素養が無いのをあらためて自覚し挫折。
YAMAHA QY-20を買い、やっと和音だかコード進行だかの理屈を知る。
VOCALOID2
2007.春”歌を歌うソフト”の噂を聞くが、技術の進歩に関心するものの自分とは関係が無いと思いスルー。
2007.8「初音ミク」発売の噂を聞くが、DTMとは縁遠い自分とは関係が無いと思いスルー。
2007.9.8動画サイトで評判という噂を聞くにつれじょじょに興味を持ち情報を検索し、歌声の凄さを耳にしてぶっとぶ。
しかし、やはりDTMとは縁遠い自分とは関係が無いと思いスルーしようとする。
2007.9.29「初音ミク」発売以来大ヒットという噂を聞き、とうとう集団心理に流されてamazonで注文してしまう。
2007.10.1amazonから遅延メール。
2007.10.6amazonから発送のメール。 このときすでに、フリーで拾ったDTMソフトが手元に揃う。
2007.10.7「初音ミク」届く。 さっそくいじると……おお! ベタ打ちだけでちゃんと歌う! すごい!
しかし、あまりにマニュアルが不親切だ。 解りにくいことが多すぎる。
DTMマガジン11月号に、特集記事があるというので購入を考えるが、そこまでDTMに興味があるでもなしと躊躇する。
2007.10.8とりあえず、「いろは歌」を歌わせて自己満足してみる。
2007.10.9無駄足と知りつつ秋葉原にDTMマガジンを探しに行く。
ソレっぽい書店で「DTMマガジンありますか?」と尋ねると、アレっぽい店員から「売れちゃいました」と返答をもらう。
明らかに”今頃買いにきたって遅いんだよアンポンタン”と嘲笑されたようでヘコむ。
それでも某楽器専門店で10日入荷予定と情報を得る。
まだ、入荷の見込みがあるならと、地元の大きめの書店で注文をしてみる。
2007.10.10地元の書店で注文したものの、在庫なしの可能性が高いので、再び秋葉原へ。
某楽器専門店で尋ねると、問屋に流通在庫が集められている途中らしい。
明日は入荷するということなので安全確実第一のために注文をする。
仕方が無いので、初音ミクに「日本国憲法」を朗読させてみる。
2007.10.11某楽器専門店で入荷の知らせを受け、三度目の秋葉原行脚。
ついに幻の「DTMマガジン11月号」を手に入れる。 おお! 使い方が解りやすく書いてあるぞ!
このときすでにオークション価格は3倍の値をつけていたが、もちろん売るつもりは無い。
秋葉原までの交通費を考えるとオークションで買ったほうが安かったかもしれない。 が、そんなことは、このさいどうでもいい。
地元の書店ではついに入荷しなかった。
2007.10.12音楽の素養がないので、しゃべりを研究し始める。 これが難しい。
さんまは目黒にかぎるな〜
2007.10.13なにやら、14日にTBSの「アッコにおまかせ」で初音ミクが紹介されるという噂を聞き、録画予約を入れる。
しかし、初音ミクのムーブメントがどのように紹介されるか、一抹の不安も感じていた。
私が、まだ初音ミクの絵を描いてないのも、「このソフトがどう認知されていくのか?」という点が気になったからである。
2007.10.14TBSの「アッコにおまかせ!」で初音ミクが紹介される。
というか、実際は、製品の紹介ではなく、初音ミクユーザーのオタク度を揶揄したものでしかありませんでしたな。
アレでは、初音ミクユーザー全てが、部屋の壁にアニメキャラポスターを貼りまくり、
セーラー服を着てライブをするような人間にみられてしまいそうだ。
私は別にかまわないが、他の一般ユーザーが不憫である。
何より取材に協力したクリプトン本社広報に失礼だろう。 取材には、クリプトンも業務時間を裂いて応じたはずであり、
その結果が無意味なものでは、業務妨害にも相当するだろう。
私としても、革新的なソフトの開発舞台裏や、手馴れた人による作曲の過程を映像で知りたかったのである。
そういう部分は、ネットで検索しても知りえないわけで、TV取材の強みであるはずなのだが、
TVから情報が受け取れないのであれば、いよいよTVに依存することは何も無く、視聴者が離れていくことに気がつかないのか?
いや、遅かれ早かれこういう扱われ方はするだろうという予想はしていたものの、あまりに時期的に早すぎるのではないか?
VOCALOIDという音声合成技術が、容易に一般に触れられる環境になったということを、
先にもっと一般に認知・浸透されるべきものだろう。 これでは、最初から、VOCALOIDが一部のオタク御用達のおもちゃ扱いだ。
歴史に名を残すにふさわしい画期的な製品が、エロゲーと同レベルとレッテルを貼られてしまったわけだ。
これから初音ミクバッシングが始まり、キャラメインのマーケティングも見直しが行なわれ、路線変更があるかもしれない。
心配していたところ初音ミクの販売元・クリプトンの公式サイトのブログでは、
ユーザーからの励ましの応援コメントが集まっていた。 ほっと安心させられた。
製品の良さはユーザーにきちんと認識されているのだ。 しかしクリプトン内部ではどう捉えられているのだろうか?
2007.10.15初音ミクの販売元・クリプトンのブログで社長のコメントが出された。
謝罪文に見せかけた抗議文かつ宣戦布告とは、なかなかウィットのあるやりかただと関心する。
どうやら、あのような貶めには屈ず、今後もこの路線でガンガン行きますよ、ということのようだ。
今後も幅広い嗜好のユーザーと共に、「初音ミク」を育てていく決意を固めたようだ。
それは、そうだろう。 すぐそこに、新しい時代の扉をひらくノブがあり、今まさに手をかけたところなのだ。
扉の先には、はかりしれない可能性の未来がある。
放送されたコンテンツを黙って視聴者が見るだけだったテレビ時代には起こり得ないことが、この先起こるかも知れない。
「初音ミク」は、もはやただの音源ではない。 今後のCGMの方向性を決定付ける非常に面白い試金石なのだ。
この先、どんな嵐に遭遇しようと、この海図無き航海の船出に、乗らない選択肢はありえない。
乗船キップが、15750円なんて安いものだ。
2007.10.16というわけで、星めぐりの歌(宮沢賢治)を歌わせてみました。
聞きたい曲に、自分で好きな歌手を選んで、好みに応じて歌ってもらえる時代が来た、ということなんですな。
2007.10.17 「アッコにおまかせ」を見直して気がついた点がありました。
番組では初音ミクを「バーチャルアイドル」とテロップで紹介されています。
はて? 「バーチャルアイドル」なんて語彙をどこから持ってきたんだろう?
クリプトン公式サイトでは、初音ミクを「バーチャル・シンガー」と定義していますが?
「バーチャルアイドル」といえば確か、1996年にホリプロが「伊達杏子」という3Dキャラクターとして、
”世界で始めて”世に送り出したアイドルだ。 最近、セカンドライフ上で復活されたそうな。
そういえば、和田アキ子さんも、ホリプロのタレントだ。
ホリプロ自身がバーチャルアイドルを抱えて、市場を確立するノウハウが必要なはずなのに、
初音ミクをバーチャルアイドルと呼んで揶揄してよいのだろうか?
ともかく、この放送作家は、伊達杏子を意識しつつ、初音ミクを揶揄したことは間違いなさそうだ。
……というか、バーチャルアイドルって、パッケ裏に書いてあったのか。
2007.10.18ええと、一部の検索サイトで「初音ミク」の画像検索に障害?という噂?
この検索エンジンは、「初音ミク」ワードに何かフィルターをかけてるのだろうか?
青緑のツインテールを自動認識して弾き、関係なさそうなサムネイルを拾ってるとしたら、ものすごい精度だ!
wikipediaの項目も、このタイミングで削除依頼が出てるようだ。
毎日、いろいろあるなあ。
しかし、こういうのを昔は「おっかけ」と呼んだんだろうなあ。
2007.10.19 すこしは音楽の素養を身に付けようと、音楽のことを勉強してみる。 音階には「倍音」というものがあるらしい。
「倍音」(以下wikiを要約)
弦の振動は、波動方程式の解として三角関数を想定することにより、
基本周波数とその整数倍の周波数の成分(倍音)の重ね合わせとして表せる。
この概念は、周期関数 f(t) を正弦波(三角関数)の重ね合わせとして表現するフーリエ級数によって体系的に理論化される。
オイラーの公式を用いれば、周波数 f = n / T の正弦波 e2nπit / T = cos(2nπt / T) + isin(2nπt / T) を cn 倍したものを、
全ての整数 n に関して重ね合わせると元の波動 f(t) に等しくなることを意味する。

…………………………知恵熱がでて3時間寝込む。
2007.10.22ピアノロール上のコードを把握しやすいように簡易コード表を作る。
2007.10.24初・初音ミク絵〜ミクのつぶやき
2007.10.27初・初音ミク歌〜うたなんぼ
2007.10.30ニコニコ動画とYouTube、JASRACに著作権料支払いへ」というニュースを見つける。
「契約を結べば、一般ユーザーが音楽会やライブなどでJASRAC管理楽曲を演奏した映像や、
レコード会社が公式に配信する楽曲などを、両サイトに合法的にアップロードできようになる。」
いよいよ、21世紀の動画コンテンツのネット配信の方向性が、既存の法によって定まってきたようだ。
2007.10.31先日、やけに雨が強いなと思ったら台風がきていたという日に本屋へ行った時の哀歌。ずぶぬれて
2007.12.15ミクの観察日記をつけるといいながら、DAWソフトに興味が移ってしまい、この一ヶ月ずっとFL Studioで遊んでいた。
とりあえず、一曲完成?「ミクの年の瀬ソング2007
2007.12.19初音ミクの歌が、ついにJASRACに登録されたという噂。
いつかは訪れる日でしたが、さて海図無き航海の行方は?
うまく荒波を乗りこなせれば良いのでしょうが。
それにしても、作詞者作曲者に続いて3番目の権利者がドワンゴとは?
ドワンゴは、初音ミクの着うたをケータイで独占配信してるようだが、
作者に分配金を発生させるにはJASRACの仲介が必要らしいとのこと。
ということはドワンゴは、JASRAC未登録の作者には金も払わずに独占配信しているということだろうか?
よく事情はわからない。 とりあえず、動画サイトアカウントをひとつも取らずに静観していた私は、今後もしばらく静観しそうだ。
JASRAC登録にあたり、「アーティスト:初音ミク」表記がされているが、クリプトンによれば事前承諾は無かったようだ。
つまり、規約違反ということだが、これが放置されれば規約の実効性は失われてしまうわけだが……。
2007.12.20どうも、ニュースによると、JASRACに「アーティスト・初音ミク」と登録されたのはドワンゴのミスだったようで、
JASRACの件は早急に修正される見込みですね。
で、ミク歌作者との契約が中途だった件は、ドワンゴによると、クリプトンに非があるということで、
クリプトンも同日、社長の謝罪文を公開しているようです。それによると……。
------------------(引用)------------------
一方、ドワンゴ社は既に口頭ベースの許諾で楽曲の配信を開始してしまっていたので、
結果クリエイター様との契約が延び延びになってしまいました。
これは、事務手続きを円滑に管理できなかった弊社にも落ち度があると思います。
また業界の慣例に慣れていないことも原因でした
(まず契約を交わした後にビジネスを始めるというのが普通と思ってました)。

------------------(引用ここまで)------------------
なるほど、「契約書をきっちりかわさず、口頭ベースの許諾という業界の慣例に慣れていなかった」というのなら、
クリプトンのミスということで、仕方の無いことですね。
それ以前に、不透明な契約実態はどうなの?という問題も感じますが。 業界の慣例なら仕方ないでしょう。
クリプトンの社長は、毎度毎度、ウィットにとんだ宣戦布告をしかけてきますね。
こんなに頼もしい企業は見たことありません。
2007.12.21 朝の4時に、またドワンゴからコメントがあったようです。
それによると、
------------------(引用)------------------
1.本件着うた配信に関しましては、本年9月、クリプトン社「初音ミク」担当者様が当社に来社された際、
着うた配信の提案をさせていただき、ご了解をいただきました。
この際に着うた配信のお願いはいたしましたが、独占云々といった話は一切行われておりません。
これを受け、ドワンゴ社は、各権利者様にコンタクトを開始しました。

------------------(引用ここまで)------------------
ドワンゴは、はじめの話では「独占」の話はしていないという抗議ですね。

でも、こんなニュースがあるんですが?
------------------(引用)------------------
ドワンゴ、「初音ミク」が歌う「着うた・着うたフル」を独占配信
------------------(引用ここまで)------------------
う〜ん? いつからドワンゴは独占したくなったんだろう?

ふたたび、ドワンゴのコメントによると、
------------------(引用)------------------
また楽曲に初音ミクの音源が使用されていることを理由に著作権の管理を主張することはおかしいので、
当社サイドで管理を行いたい旨再度申し入れを行いました。

------------------(引用ここまで)------------------
う〜ん。 独占したがってるように読めるし、
なぜ、ドワンゴが「ドワンゴに著作権管理させないのはおかしい」と言える立場なのか、わからない。

お昼に、クリプトン社長のコメント
------------------(引用)------------------
クリプトンサイド={弊社, 仲介業者}ということを指していると思いますが、
まず弊社自身がJASRAC登録を行うということは「あり得ない」です。
権力に迎合する姿勢は弊社のポリシーに合いませんし、
そんなことをすればどんな混乱が待っているか良く理解しています。

------------------(引用ここまで)------------------

すごいっ……!!!
まさか、一企業の社長から、ここまで爽やかな発言が聞けるとは!!
JASRAC登録=権力に迎合する」と言い切ってますよ!
なかなか、企業というものが、信じられなくなってきている昨今、
ここまでクリーンな人とは滅多にお目にかかれないでしょう。

これで、クリプトン、ドワンゴ、双方の企業理念がハッキリしたことは、喜ばしいことです。
ネット上の創作活動を支援しつつも、その温度差は大きく違うようです。
クリエイター本位で考えるか、ビジネスとして考えるか。
双方、言い分はあるでしょう。 後は、どちらの船に乗るかということです。
  ドワンゴのような大船に乗っていれば安泰かも知れませんが、
高いキップを払いながら管理され続けなければなりません。
クリプトンの船は小さくとも、なにか新しい未来に連れて行ってもらえるかもしれないです。

JASRACの存在に対しては、私もモヤモヤしたものがあったわけですが、
これまで音楽と無関係だった私は、口を挟む問題ではありませんでした。
でもいまは、音楽の勉強を通して、自分のサイトでオリジナル曲をアップするところまできています。
つまり、私もこの件では当事者になりうる可能性を得たということになりますです。

……いつかある日、私の所にもJASRACからメールが来たら?
自作曲が登録されるわけは無いとしても、
私がサイトでアップしている曲は、JASRAC的に料金徴収の対象になるのか?
著作権切れ、もしくは、オリジナル曲と認めてくれるのか? その線引きは?
万一認められない場合、日本国憲法の保障する「表現の自由」との兼ね合いはどうなのか?
また、現在は削除されてますが「アーティスト・初音ミク」と掲載された件も、
JASRACへの楽曲登録申請書類は、どのようなものなのか、
アーティストからの委任状のようなものは要求しないのか? など、
やりようによっては、架空申請なども容易に出来てしまわないか?という点についても事実確認したく、
具体的に、JASRACさんのお話を伺いたいと存じております。
実際に料金が請求されたとき、法律の定める範囲で素直に支払う所存ですが、
請求内容・請求書の見本なども公開していこうと思います。
その日がいつ訪れるか? その時が来るのを楽しみに、この日記は続きます。


で、夜、ドワンゴからコメントが発表されました。
何か、書いてありますが、作者と契約がされたか確認もしないで勝手に配信してもOKなのが、業界の慣例だと、
常識なんだと、当然なんだと、契約書重視のクリプトンが非常識なんだと、それがドワンゴの企業体質だという宣言ですね。
わかりやすくて素晴らしいです。
2007.12.23 とりあえず、zoomeのアカウント取って見ました。
クリプトン公認コンテンツもあるということで、総じてクリーンな運営がされてる印象ですね。
どこぞの動画サイトみたいに、ユーザーからの違法動画アップを放置して、自由さを装い、客を集めておいて、
自社の権利は全力で主張するとか、そういった滑稽な態度はしますまい。
「自由」を得るには、「責任」が必要であることを、私も含めて皆で考える必要があるでしょう。
2007.12.25 クリプトン・ドワンゴの共同コメントが出される。
内容は、クリプトンの主張に準じたものとなっている。 ドワンゴが折れた格好だろう。
中でも↓の文言が含まれたのは素晴らしい。 正直、驚いた。

------------------(引用)------------------
 (4) 「初音ミク」ソフトウエアを使用して作成された音楽データ(原盤)に使用されている楽曲の権利については、
作詞家、作曲家のものであることを確認します。
 (5) (4)の作詞作曲者は、楽曲の権利行使代行会社を自らの意思により決定することができることを確認します。
 (6) 株式会社ドワンゴ・ミュージックパブリッシングは、今後「初音ミク」ソフトウエアを使用して
制作された音楽データ(原盤)に使用されている楽曲が、初音ミクをつかった音楽データで一般に有名になった場合で、
楽曲の管理を著作者に申し入れる際は、社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)への信託、
イーライセンス等他の著作権管理団体への信託、管理団体非信託の選択肢があること、
及び各々を選択した場合のメリット・デメリットを説明し、いずれとするかにつき、著作者の意思を確認いたします。
------------------(引用ここまで)------------------

楽曲の音楽著作権団体への管理を、音楽出版社の勝手にさせず、
JASRAC以外にも検討出来るよう、作家に選択の自由が得られたわけだ。
無論、当たり前の話なのだが。 その当たり前のことが、今までは自由では無かったわけだ。

従来、「業界の慣例」で曖昧だったとされる契約内容が、
今後は透明性がより一層図られるようになる転換点になればと良いと思う。
音楽作家が、音楽業界に飼いならされていて良いわけではないのである。
契約の透明さを求める影響は、他の業種にも及んでいくはずだ。

「初音ミク」というソフトウエアを通じて、私もその歴史の目撃者になれたことを嬉しく思う。

一方で、従来の音楽作家は、原盤権を音楽出版社に握られ続けられているはずだが、
ネットで活動する音楽作家が自由を得たとなると、利益の還元率も違ってくるだろうし、
両者との間で軋轢などが生じないだろうか?
原盤権を保有したい音楽出版社も多いはずだろう。

まだまだ注目していく必要がありそうだ。
2007.12.27 テレビ東京で、ボーカロイドのコンテストがスタートするらしい。
↓応募要項の記述がグッド。

著作権は制作者に帰属します。
優秀作品や入選作品の商品化などの二次利用権の窓口は、
コンテスト主催者に独占的に帰属するものとします。


こうした作品募集で「著作権は制作者に帰属します。」と明記されたものは、記憶に無い。
いままでは、応募作品は主催者側が自由にできる旨が強調されていたはずだ。
ドワンゴと「業界の慣例」問題でもめていた間に、
主催者(テレビ東京・ドコモ・クリプトン・ヤマハ・寺島情報企画)の間で、
応募作品の著作権の扱いで、そうとう詰めた話し合いがされていたはずだ。

「業界の慣例」を正す流れの一方で、ドワンゴの先走った行動がますます浮き彫りになってしまった。
これでは、ドワンゴも折れるしか無かっただろう。

今後は、こうしたコンテスト企画が多く出され、主催者がビジネス展開をするための前提として、
「著作者の権利を最大限守る」という企業姿勢の競争になれば、音楽業界はもっと様変わりしていくだろう。
この流れに乗れるかどうか、が、音楽業界で生き残れるかどうかを左右することになるに違いない。
「業界の慣例」に固執するような会社は、恐竜のように滅んでいくのだろう。

DTMソフトのACIDも、さっそく、「初音ミクマウスパッド同梱ACID」なんてのを出していた。
今後、DTM音楽を目指す人達はボーカロイドは必須アイテムとなっていくはずだ。

音楽業界は販売不振を嘆き、JASRACの取立てを厳しくする前に、音楽愛好家の裾野を広げる努力をすべきだろう。
2007.12.28 昨日は、「鏡音リン・レン」の発売日だったらしい。
さすがに今回は慌てて買わなくても品切れにはならないと思うので様子見。
あと、zoomeが繋がらないと思ったら、ニコニコ動画がメンテ中で人が押し寄せてきたとか。
一極集中しないで、もっと分散して楽しんでもいいんじゃないかな〜、とか思いふける、そんな年末。
2007.12.29 zoomeは、昨日の時点でサーバーを増強したらしい。
年末だというのに、すごい手際の良さだ。 ちゃんと正月休みとかとれるんでしょうか?
ボーカロイド関係の新作もいっぱいアップされてるし、これからの発展が楽しみですね〜。
なにより、会員でなくても無料で高画質動画が見られるという、オープンなところが良い感じ。
2008.1.17 わけのわかんないコードの勉強をしつつ、あれこれいじりながら一曲できたもの。
ミクのおやすみソング
2008.3.12 気が付けば、DTMを趣味にして半年たちました。
音楽の何もわからない音楽初心者が、半年でどれくらい作曲能力を得たのか? というサンプルが、これ。
ミクの宝島ソング
2008.4.23 音楽著作権管理、JASRAC独占の疑い・公取委が立ち入り
という記事をみつけました。 以下、引用。
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音楽の著作権管理事業を巡り、自らに有利な内容の契約を放送局と結び、
新規事業者の著作権管理市場への参入を不当に締め出した疑いが強まったとして、
公正取引委員会は23日、独占禁止法違反(私的独占)の疑いで日本音楽著作権協会(JASRAC)に立ち入り検査した。
公取委による同協会への立ち入り検査は初めてという。

関係者によると、JASRACはテレビやラジオなど放送事業者が、
経常事業収入から一定経費を差し引いた「放送事業収入」の原則1.5%を支払えば、
JASRACが著作権を管理している曲を自由に使うことを認める「包括的利用許諾契約」を締結している。

放送事業者は、JASRAC管理下の曲は定額で使い放題である一方、
別の著作権管理事業者の管理する曲を使う場合には追加支出が生じる形となっている。
このため公取委は、放送事業者が新規事業者と新たな契約を結ぶことを制限しているとして、
JASRACが市場を実質的に支配したと判断したもようだ。
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まずは、JASRACの運営が不可思議だと疑われたことは、著作権料配分など経理の透明化への道筋になるでしょう。


























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