スサノヲのひみつ



March.28.2010











みを
スサノヲはどういうカミだったでしょう?


にい
天照大神と喧嘩して、高天原を追い出されたんだっけ?


みを
神話では、スサノヲは、天照大神の弟。
乱暴者で、天照大神を困らせてように書かれてる。
天照大神が、天の岩戸に隠れたのも、スサノヲの乱暴に驚いたから。


にい
困った神様だったんだねぇ。


みを
でも、高天原を追われて、海を渡って出雲に降りた後は、ヤマタノオロチを退治したりして英雄になったみたい。
朝鮮半島とも行き来をしてたらしいわ。
筑紫の宗像三女神(田心姫・湍津姫・市杵嶋姫)を祀る宗像氏の祖神は、大国主。
宗像三女神は、筑紫と朝鮮半島を結ぶ玄界灘航路を護る神。
つまり、海を司る、航海のカミの祖神がスサノヲってことね。



スサノヲは、青海原を治めよと、イザナギに命じられた。(日本書紀 一書・十一)
出雲に渡ったスサノヲはヤマタノオロチを退治して、助けたクシイナダ姫が、オオナムチ(大国主)を生む。
スサノヲと天照大神との誓約で生まれた宗像三女神を祀る宗像氏の祖神は大国主。
宗像氏は、玄界灘を司る海洋豪族。
スサノヲは、朝鮮半島と行き来をしている。

よって、スサノヲは、航海と関係の深いカミだったことがわかる。






にい
海が荒れた様子を、スサノヲが暴れてる姿に見立てたのかな?


みを
そうかもね。
とにかくスサノオは嫌われ者で、イザナギから、
「おまえは乱暴者だから、遠くの根の国にいきなさい!」って言われてるくらい。


にい
根の国ってどこだろ?


みを
出雲のある、島”根”県のことかもしれないし、天に対する地下世界かもしれない。
具体的な場所じゃないかもしれないけど、結果的には、スサノヲは出雲に降りてるわね。


にい
出雲に降りてから、スサノヲはヤマタノオロチ退治をしたんだね?


みを
日本書紀ではそういうことになってるけど、出雲風土記にはスサノヲのオロチ退治は出てこないの。
かわりに、オオナムチが「越の八口」を平定したことが書かれてる。
もしかしたら、この「越の八口」がヤマタノオロチのモトネタなのかもね。


にい
スサノヲはヤマタノオロチ退治は、後から創作された話なのかな?


みを
出雲風土記では、スサノヲの活躍は描かれて無いし、出雲の「国引き神話」でもスサノヲは出てこないから、
スサノヲは古いカミじゃなく、出雲神話の成立後から新しく祀られたカミなのかもしれないわね。


にい
スサノヲにも、ひみつが多そうだねぇ。


みを
それに、日本の神様で、外国に行ったことが書かれてるのは、スサノヲだけなのよ!




スサノヲは、日本の神で唯一、外国(朝鮮半島・新羅の曽尸茂梨)に行ったカミ。
(日本書紀一書四)



にい
スサオヲは、新羅に行ってどうしたの?


みを
日本書紀一書(四)では、高天原を追われたスサノヲは、新羅に行きました。
でも、「ここには居たくない」といって、日本に帰ってきました。
出雲の大蛇を退治したら、腹から剣が出てきたので、天に捧げました。これを草薙剣といいます。
スサノヲに随伴した五十猛神は、木の種を持っていました。
五十猛神は、木の種を新羅には蒔かずに、筑紫から日本中に蒔きました。そして五十猛神は、紀伊国で祀られました。


にい
紀伊国?


みを
紀伊国は、「木の国」と呼ばれてたことからの説話だと思うわ。
それに、出雲と紀伊には同じ「熊野」と呼ばれる神社があって、何か関係が深そう。
五十猛神は、スサノヲの子とされ、和歌山の伊太祁曽神社で木の神として祀られてる。


にい
出雲と紀伊って、すごく離れてるのに、関係がありそうだなんて、不思議だねぇ?


みを
それだけじゃなくて、出雲は越とも関係があったよね?
四隅突出型墳丘墓が出雲は越にあるのも、何か関係ありそう。




スサノヲと関係する土地



宗像大社 (宗像氏の祖神は大国主)
沖津宮 祭神・田心姫神
中津宮 祭神・湍津姫神
辺津宮 祭神・市杵島姫神

出雲大社 祭神・大国主
スサノヲがヤマタノオロチを退治して、草薙剣を手に入れる。(日本書紀)
オオナムチが越の八口を平定した。(出雲風土記)

伊太祁曽神社 祭神・五十猛命
スサノヲの子の五十猛命が木の種を蒔いた。

熊野大社 祭神・熊野大神櫛御気野命
熊野本宮大社 祭神・家都美御子大神
出雲と紀伊では、「熊野」という共通のカミが祀られている?






にい
も〜、ひみつが多すぎて、わけわかんないよぉ!


みを
でも、スサノヲを一言で言い表すなら……。


にい
なに?


みを
弥生時代の外務大臣!
スサノヲとその子達は、日本の神様で唯一外交や貿易を担ってたでしょ?
こわもてで、荒ぶるように外国を忙しく飛び回ってたから、日本に居る時間はすくなくて、
高天原から追い出されたように見えた……としても不思議じゃないかもね!


にい
スサノヲが、外務大臣って言われると、まるで印象が変わっちゃうね〜。




朝鮮半島から戻ったスサノヲは、剣を天に献上した。
スサノヲの娘の宗像三女神は、九州と朝鮮半島を結ぶ玄界灘航路を護るカミ。

スサノヲは、日本と朝鮮半島を飛び回り、
鉄器の輸入などの交易に携わっていたカミだった?


「新羅本紀」では、新羅第4代王・脱解(1世紀頃)は、もと倭国の出身と記されている。
丹後一宮・籠神社宮司家には、丹波の人が新羅に行って王になったという伝承があるという。
























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