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〜五日目〜ヤムドゥク湖とカムパ・ラ(峠)
Nov.21.2003
03年11月9日
11:35am
一度山を下り、道が開け始める。
それでも、標高4300mだ。
標高4250m。
荒涼とした大地の地平の奥から真っ青なヤムドゥク湖が見えてくる。
砂漠のオアシスというのはこんな感じだろうか。
湖畔の小さな街の店で昼食。
一度は飲みたいバター茶。一度で慣れるのはキビシイが、慣れればクセになるかも。
ごく普通のたまごチャーハン。うまい。
しかし、この頃の私は食欲が完全に喪失していたので、ほとんど食べられなかった。
12:00pm
食後、車は再び走り出し、ヤムドゥク湖畔をひたはしる。
湖畔をひたはしるばかりで、車は止まろうという気配が全然ない。
聞けば、車は湖畔を走るだけだというので、おいおい、それは面白くないだろうというので、
水辺に降りられそうなところで車を止めてもらった。
そもそも湖畔にでも来ようものなら、人として水辺に佇み物思いにふけるべきなのである。
法律で決めてもよいくらいである。
5分ほど物思いにふけり、冷たい水の感触をたしかめた後、車は湖畔の道を進み、やがてまた山を上り始める。
1:00pm
標高4749m。カムパ・ラ(峠)へ到着。
空気はかなり薄い。車を降りてすこし歩いただけで息が上がる。
先ほどのヤムドゥク湖を見下ろし、絶景である。
現地で確認し忘れたのだが、ここから南西方向300kmに、チョモランマ峰(8848m)があるはずである。
写真の奥に写っているのがそうであろうか?
こんなところでも、商売熱心なチベット族が待機している。
ヤクをつれたガキがやってくる。
観光用に、5元で写真を撮らせてやるというのである。
チベット犬をつれたオヤジがやってくる。
観光用に、5元で写真を撮らせてやるというのである。
首飾りをつけて、やる気なさそうなチベット犬。
峠を訪れた観光客は、有無をいわさず犬とヤクで10元(約140円)徴収されることになるのであろう。
いかにも興ざめしそうではあるが、これはこれで通行税かアトラクションかなんかだと思えばいい。
ガキが、ヤクに乗ってみれと言うが、後ろはすぐガケだったので遠慮した。
さっきのガキとオヤジは、家族かもしれない。ヨメさんらしき姿も見える。
やっぱり、この峠のチベット族は、観光客目当てに、ここで暮らしているのであろうか?
別に擬態してるわけでもないだろうが、どこにチベット族がいるかわかるだろうか?
野良?のチベット犬。彼のほうが、顔つきは精悍な感じがする。
オボ(石塚)にはためくタルチョとルンタ。
むこうの山の上にある白いのは人民解放軍のレーダーサイトであろう。
10分ほど休憩した後、峠を後にする。
山腹に削られた車一台ぶんくらいの細い道をうねりながら降りていく。
途中ブレーキがいかれたら、それまでである。
漢族のベテランドライバーはそれでも50kmくらいで車を飛ばす。
チベット族のガイドは、なにやら念仏を唱えている。
岩陰から対向車が来たら終わりだろうという状況がけっこうあった。
ドライバーの経験とカンに頼るしかない。という以前に、そんなに飛ばす必要があるのかと。
2:00pm
ふもとまで降りてきた。
それでも標高3500mある。
3:25pm
ラサのホテルへと帰ってくる。このまえと同じホテルである。
今日から4日、ラサ市内で観光のため連泊することになる。
それはいいが、このホテル、夜中でも煩い、部屋に電気が来てない、お湯が出ないと、
ちょっと気になるホテルなのであるが……。
車はすっかり砂埃で覆われていた。ドアを開け閉めするだけでホコリが舞う。
おもいっきり通行人の迷惑となっていた。
5:10pm
朝食に出たゆでタマゴとピーナッツをすこし食べる。
6:00pm
ガイドに連れられて、ホテル近くの中華料理屋で夕食。
ついでに書店でチベットの地図も買う。
この書店での買い方は、日本とは違っていてややこしい。中国式なのかチベット式なのか、この店独特なのか。
まず、商品をレジにもっていき、レシートをもらい、レシートをもって、店の中央に置かれた、
小さなブース(日本でいうと宝くじを売ってるような所)へ行き、ガラス窓越に代金を払う。
強盗でも多いのだろうか? しかし、他の店ではこんな面倒な方法はとってない感じであるのだが。
最初に買ったチベット全図地図には、ラサ市街の地図がのってなかったので、もうひとつ買いなおすことになった。
中華料理屋は、書店の2階にある。百人町屋台村といった雰囲気のところ。
マーボートーフとチャーハンを注文した。
たいへん美味しそうなのであるが、私はいまだ食欲がない。三口ほどでおなかいっぱいになってしまう。
思うに、胃腸を活動させると、酸素を消費するので、生体的に消化器活動を抑えられているのではないかと。
7:00pm
ホテルに戻る。
かるく現地の人とコミュニケーションとるつもりで、
フロントの人にラサの地図をみせて、「このホテルはどこか?」と聞いてみた。
すぐに教えてくれると思ったが、彼らは全然地図が読めないようで、
スタッフが何人も集まってきて議論をはじめる始末。
ラサの地理は、そんなに議論するほど複雑でもなんでもないのにである。
あげくに、まったくトンチキな場所を示してここだここだと言ってくる。
あきらかに通り1本違う。後で、私がよく地図をみると、ホテルの名前も地図上にしっかり載ってるのに。
あまり、現地の人に頼っても、アテにならないのだと感じたものでる。
7:20pm
通りの裏手でジュースを買ってくる。3元。
このときはじめて、ジュースの相場が3元だと知る。このまえは漢族の店で5元払ったものだが。
7:25pm
今日の停電。
8:00pm
もう寝る。しかし、表通りの歌謡曲が相変わらず煩い。最悪のホテルで連泊することになるのか。
明日は、ツアーにセットされた、ラサ市内の観光予定である。
<続く>
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