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高山病の夜Part2


Nov.20.2003





03年11月8日
8:00pm

すこし、頭痛を感じる。
高山病がまた、じわじわと攻めてきたらしい。
酸素ボンベを吸い、頭痛薬を飲んで備える。
吐き気に襲われたら最悪なのだが、まだそこまでには至っていない。
さて、今夜の勝負はいかに?



9:20pm

寝付けない。
やはり、呼吸がやや苦しい。
おきた状態で、意識的に呼吸したほうが楽なようだ。

10:20pm

寝付けない。
1時間おきに目がさめる。
幸い、問題は息苦しさだけで、吐き気や頭痛などの副産物までは生じなくなったようだ。
体のほうが、空気中の酸素が少ないということにだけ対処するよう順応したと思われる。

高山病には、大きく深呼吸するといいという話がある。
が、実はこれには、落とし穴がある。

たとえば、
す〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、は〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、
と、深呼吸したとしよう。

す〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、
と、息を吸ってる間は、なんの問題はないのであるが、続いて息を吐くとき、
は〜〜〜……
くらいのところで、もう酸欠になってしまうのである!
悠長に息を吐いてる場合で無くなるのである。
一刻も早く息を吸わなければもう窒息して死んでしまうのである!
だから、
は〜〜〜……す、す〜はっす、すっす〜はは〜すっは〜〜、
などと、思いっきり乱れた呼吸になってしまうのである。
イビキがひどいような、睡眠時無呼吸症候群の方は特に注意が必要である!
寝ながら窒息死ということが十分ありえますぞ!

では、どうしたらいいかというと、細かく浅い呼吸の連続で乗り切るしかないと思う。
私は幸い、イビキはかかない方だと思うので、細かく浅い呼吸でなんとかしのぐことができた。
それが出来なければ、酸素吸入しながら寝られるような設備が必要であろう。

03年11月9日
3:00am

気がつくと、午前3時だった。
そんなこんなで、とりあえず、寝付くことはできたようだ。

4:00am

そろそろ、目がさめる時間なのでうだうだする。

5:30am

小腹がすいてきたので、ビスケットをかじる。

7:10am

ウンコする。あまり食べて無かったわりには、よく出た感じ。
……と、トイレの水が流れない! 水洗のボタンが壊れている。
貯水槽の蓋をあけて、自分で栓をはずして水を流す。



まあ、これくらいはカワイイものだろう。
中国のトイレ事情は、事前にいろいろ怖い話を聞いていたからね。

7:30am

思いついたように、星空を見に、ホテルの外へ。
気温-5度。
満月が明るく出てたので、それほど驚くような星空は見れなかった。



天の川もよくわからなかったし。


(使用カメラ:MINOLTA DiMAGE A1)

8:00am

寒い。部屋は悪くないが、暖房などのエアコンはついていない。
もっと寒くなったらどうするんだろう?
ホカロンをもってきていたので、暖をとる。
高山病との闘いは、今日のところは、引き分けにしてやろう。





<続く>




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