二人のたからもの
「ぼく、君の本を取り上げるなんて、どうしてもいやなんだ。」
「いいえ、あなたが、それを持っていなければいけないの。」
「じゃ、これを二人の物にしよう。」
「いいわ、あなたがそれでいいんだったら。」
たきぎの上に座り、本のページをめくりながら、
二人は、ゆるし合い、分け合い、助け合う時に、
本当に幸せになれるのだということを、
しみじみ感じたのでした。
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