「アルプス物語 わたしのアンネット」 


June.20.2005





「アルプス物語 わたしのアンネット」(日本アニメーション)について

原作「雪のたから」(パトリシア・M・セントジョン)




どうも、なんともいかんともしがたいことに、
「アルプス物語 わたしのアンネット」というアニメは、世間一般では知名度が低いようです。

放映当時の、1983年の日曜日午後7時台の番組表を見ると、このようになってます。

<フジテレビ>
19:00「さすがの猿飛」
19:30「わたしのアンネット」


私は、「さすがの猿飛」に続いて「わたしのアンネット」を見ていたと思われますが、
毎週日曜日19:30、みなさんのテレビチャンネルはどこに回されていたのでしょう?


クイズ面白ゼミナールNHK総合
フランス語講座(再)NHK教育
すばらしい世界旅行日本テレビ
西田敏行桜田淳子のもちろん正解TBS
わたしのアンネットフジテレビ
クイズヒントでピントテレビ朝日
ヤンヤン歌うスタジオテレビ東京


う〜む。 微妙だ。
少なくとも、私は自らの意思で進んで「わたしのアンネット」見ていたに違いない。
「すばらしい世界旅行」もちょっと見てたかなあ。
みなさんは、どうでしょう? クイズでもみてたの?

いや、私もそんなにみなさんを責めるつもりはありませんよ。
1984年の日曜日午後7時台の「Gu-Guガンモ」は見ていたはずなのに、「牧場の少女カトリ」は記憶にありません。
惜しいことをしたものだ。


具体的には、どうでしょう? 本当に知られていないのでしょうか?
手掛かりを求めるべく、ちょっと調べてみました。
まずは、アマゾンで売られている、竹書房文庫―世界名作劇場の売り上げランキングを見てみましょう。



竹書房文庫―世界名作劇場
amazon売り上げランキング(2005/6/20)

ロミオの青い空20099
小公女セーラ45638
ペリーヌ物語45805
私のあしながおじさん61109
牧場の少女カトリ67584
あらいぐまラスカル76227
ふしぎな島のフローネ90326
家なき子レミ105095
赤毛のアン127995
七つの海のティコ128989
愛少女ポリアンナ物語132288
トム・ソーヤーの冒険135372
アルプス物語 わたしのアンネット154210
小公子セディ163112
フランダースの犬191463
母をたずねて三千里200727
名犬ラッシー211297
若草物語ナンとジョー先生218443
トラップ一家物語236165
愛の若草物語247520
大草原の小さな天使 ブッシュベイビー290209
ピーターパンの冒険307125
南の虹のルーシー328313



上位にランクされた作品は、なるほどという感じです。
「アルプス物語 わたしのアンネット」も健闘しているようです。
名作中の名作、「フランダースの犬」や、「母をたずねて三千里」が、意外に伸びてません。
通販より、一般書店で売り上げているのかも知れませんね?
好きな人は、原作を買いあさって読み飽きたのかも。

次に、googleの検索ヒット数を見てみましょう。



世界名作劇場タイトル
google検索ヒット数ランキング(2005/6/20)

赤毛のアン139000
フランダースの犬67300
あらいぐまラスカル33700
母をたずねて三千里26400
トム・ソーヤーの冒険22800
名犬ラッシー20200
ロミオの青い空19500
小公女セーラ19000
ペリーヌ物語18200
愛少女 ポリアンナ物語11400
七つの海のティコ10800
愛の若草物語10300
ピーターパンの冒険9460
家なき子レミ8800
トラップ一家物語8650
牧場の少女カトリ8570
ふしぎな島のフローネ8430
小公子セディ8400
ナンとジョー先生8390
私のあしながおじさん7920
南の虹のルーシー7270
大草原の小さな天使 ブッシュベイビー6910
アルプス物語 わたしのアンネット741


おやおや、「アルプス物語 わたしのアンネット」の検索結果は、
みごとに桁違いでダントツの最下位でした。
省略タイトル「わたしのアンネット」で検索しても6070件で、最下位に変わりません。


やはり、記録にも記憶にも残らないアニメだったみたいですね?

それでも、文庫はそこそこ売り上げてるということは、
あまり語られないけれども、隠れファンが多いということかも知れません。
いや、その気持ち、わかります。 私だって、人前で話題に出したりしませんよ。
なんかね、話題に出すと、人格疑われそうで……いや、そうじゃなくて。

でも、マイノリティながら好きな人は好きだったはずですよ。
当時、ラジオのあるDJが「わたしのアンネットはいい!」と主張していたのを聞いたこともあります。
私は同意ですが、でもその後、DJはリスナーから浮いていたんじゃないかな。
お悔やみ申し上げます……いや、そうじゃなくて。


後から知ったことですか、アニメ「わたしのアンネット」は、世界名作劇場の中でも異色とされ、
視聴率もあまり芳しくなかったそうです。
確かに、考えてみれば中盤のアンネットは、邪悪な言葉を吐きながら破壊のかぎりを尽くし、
その後、過ちに気づき、己の醜い心に恐れおののいて人格が崩壊していく様を鋭く描いているのですから、
子供達が毎週楽しみにしてテレビの前に坐るような内容ではなかったのかも知れません。
だったら、アンネットが邪悪な言葉を吐きながら破壊のかぎりを尽くし、
その後、過ちに気づき、己の醜い心に恐れおののいて人格が崩壊していく様を鋭く描きはじめてから、
毎週楽しみにテレビの前に坐っていた私は何なんだ? という自問も生まれるわけですが、
けして私は、女の子から罵声を浴びて悦にひたるマゾでも、女の子を泣かして喜ぶサドでもありません。
そう、フェルナンデルさんのように、大人の目線で子供達の成長を暖かく見守っていたということなのです。 (本当)

35話は、成長した子供達へ、神様からのご褒美のようなお話でしたね。



それにしても、もう少し知名度があってもよさそうなものですが。
せめて食玩になるくらいは……いや、そうじゃなくて。







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