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さっちゃんは、萌えているか?


Feb.7.2004





かおる
何ですか? このタイトルは? さっちゃんで誰?

つづき
かおる君は、「さっちゃん」という語感で、「萌え」を感じるかね?

かおる
そんなの、キャラを見てみないと、なんとも言えませんが、
語感だけ聞けば、まあ、「萌え」というよりは「凛」とした印象はありますね。
つづき
うむ。 「さっちゃん」というネーミングは、どちらかと言えば「萌え」を感じないようじゃな。
ヤマトコトバというものは、恐ろしく意味深い構造をしておるわけじゃな。
かおる
そういう、決め付けはよくありません。

つづき
もし、「さっちゃん」の本名が、「の○らさちよ」ならどうじゃね?

かおる
萌えません。(キッパリ)

つづき
どうやら、今回は、わしの勝ちのようじゃな。 うほほほほほほ。

かおる
く、悔しい……。

つづき
前回、「か」「つ」の関係で、「おかゆ」と「おつゆ」の関係に着目したわしは、「湯」つながりで、
「おもゆ」と「さゆ」についても、調べてみたのじゃが、やはり、「も」と「さ」にも対の言葉があるようじゃな。
かおる
あ、そうなんですか?
で、どんな感じになりました?
つづき
とりあえず、一覧表にしてみたぞよ。



「も」=目上「さ」=目下意味

むた

そち
人称代名詞
身近な人、遠い人
もう
もしも
もっと
さあ
さしも
さっと
よびかけ
そんなに、それほど
動作
もえるさえる萌える、冴える
燃える、冷める
もゆさゆ重湯、白湯
もうじんそうにん盲人、相人
もとさと位置
もりさき守り(見張り)、防人(さきもり・防ぐ)
もめる
もらす
もらう
さめる
そらす
さらう
人間関係
話題
人質

もうで

そうで
喪、葬
詣で、総出
もうける
(も)うける
さげる
ささげる
設ける、下げる(祭壇等)
受ける(儲ける)、捧げる(貢物)
(ころ)もさ(おり)衣、紗織り
(着織物)
めしもの
めしあげる・めさぐ
めぐる
めざす
めだか
めだつ
めならぶ
めぐむ
さしもの
さしあげる・ささぐ
さぐる
さがす
さだか
さだつ
さならぶ
さくむ
着物、小物
献上
思案する、探す
目標
鑑定眼
騒がしい人
並んだ様子
恵む、分ける
「む」=大「さ」=小意味
むこ・もこ
むく
ざこ
ざけ
相手、獲物
無垢、邪気
むさ
むく
むくろ
ささ
さく
ざくろ
きたない、細かい
剥く、裂く
死体
むさぶるしゃぶる食べ方
むやくにさやに必要性
むりがないさりげない動作
むら・むるさら・さる群らがる、何もない
むまさま今、様子
むける
むかう
むかい
むこう
さける
さがる
さかい
ちこう
向き
「お」=遅・大「さ」=早・小意味
おいらか
おとしむ
おむ
おく・おくて
おくれる
さいらく
さとす
さむ
さく・さくと
はぐれる
頭の回転
貶める、諭す
恐れる、おちつく
時間、動作
仲間と外れる
おす
おもし
さす
さもし・かろし
押す、刺す
堂々、貧相
をめく・うめくすめく息遣い
をすすする食べる、飲む
をかさか丘、坂(行動時間)
ををるささらぐ葉で枝がしなる、川がながれる
おほ(わう)しん王、臣(階級)
おほせう大、小


かおる
これ、かなり、近世語がまじってませんか?
古語というより、漢音や呉音まであるようだし。 「めだつ・さだつ」も、ちょっと違うのでは?
つづき
「めだつ・さだつ」は、一応、古語辞典にある語句じゃが、
近世語といっても、古語の語感が残されながら、造語されるものと考えてよいじゃろう。
「も」「さ」が、古来より、変わらぬ語彙を保っていたということじゃな。
「さっちゃん」が萌えにくかったのが、なによりの証拠じゃろう。

かおる
さっちゃんの話は、もういいです。

つづき
というわけで、とりあえず、調べ上げた語句を混ぜてみた次第。
じゃが、日本語というのは、思いがけず対応する語句が多くて、わしも驚いちょる。
聞きなれぬ語句や、忘れられた語句も、対応させていくと、ちゃんと見つかるのじゃ。
本当に対応しておるのか、怪しい語句も混じっておるが、参考までにじゃな。
無論、これ以外にも探せばあるじゃろう。

かおる
音韻も、かなり変化してるみたいですね? 「も、め、む、お」「さ、そ、し、ち、せ」という風に。
でも、表を見ると、元は同じ語彙だった感じがしますねえ。
つづき
音韻が変化したものは、造語された年代が異なる可能性があるじゃろう。
「も・む」の発音も、今とは違う中間的な母音じゃったかも知れぬな。
かおる
音韻変化の過程もわかるような気が。
大(おほ)・小(せう)」から、「も・さ」の音韻へ変化していったのかも?
つづき
ともかく、この一覧表をよく見れば、前回の「か」「つ」の縄文職人風の言葉よりも、
弥生系の匂いが、ぷんぷん漂うてくるではないか?
かおる
社会的な、へりくだるような語彙が増えてるような。

つづき
そうじゃとも。 これらの言葉の語彙をよく読んでみると、
」系と、「」系、「」系に大別できるのがわかるじゃろう。
「も」系は、作物が萌えるのを待ち、収穫を迎えたら献上するという、階層社会が、かいま見れるぞよ。
この頃から生じた貧富の差は、着物にも現れているようじゃ。 人間関係も複雑化しておるようじゃな。
他のムラからの襲撃に備え、防御を固め、戦にそなえていたことじゃろう。
仲間に死者が出れば、皆で葬儀をし、近親者は喪に服す様子が伺える。
昔から、貢物を受け取り、儲けていたのは、神官だったようじゃな。
これが「も」系の語句の特徴と言えよう。

「も」系は、弥生時代の社会構造が生み出した言葉じゃ。

言葉というものは、必要な社会背景があってこそ、生まれるものなのじゃ。
これらの語句で、関連性のあるものは、ある時代背景の中で、ほぼ同時に生まれ出た言葉といえよう。

では、「む」系はどうか?
獲物を探し、位置関係を把握し、獲物が獲られればむさぼり食い、
分け前が少なければ、骨までしゃぶってしのぐ様子がわかるじゃろう。

「む」系は、縄文時代の狩猟民族が生んだ語句じゃ。

「お」系は、さらに原初的な、狩の様子が伺えよう。



かおる
たしかに、「も」系は、社会が洗練されはじめた頃にできた、上品さがある言葉で、
「む」系は、もっと古い時代に造語された言葉のように見えますね。
つづき
古代のヤマトコトバの基語も、かなり見えてきたぞよ。
「をか」「さか」を見ても、「動きが遅くなる、かのち」「動きが早くなる、かのち」が、
語源であると、見事に物語っているではないか。

かおる
いつになく、説得力ありますね〜。

つづき
しかし、「さ」の意味を調べても、言葉が作られた時代によって、
微妙に意味は変わってきているということが解ったわけじゃ。
わしも、ヤマトコトバの音節、一語づつに、共通の意味があるのではと考えていたが、
どうやら、間違いじゃと認めるしかあるまい。
数百年という時間と、その間の人種の入り混じりを考えれば、
ヤマトコトバの音節ごとの意味が確かに存在し、いつか全てを解き明かせると考えるのは、
太陽系の惑星の動きで未来が予測できるという、占星術にも似た迷信にも思えてきよった。
少なくとも、その語句が生まれた年代はいつか? という所から整理せねばならぬじゃろうな。

かおる
僕は、最初からそう思ってましたけど。

つづき
それと、つい、いましがた、気がついたのじゃが、前回、「かち」の語句を紹介したわけじゃが、
「かち」は「歩む・勝ち」という意味じゃった。 「かつ」と言えば「人生」を意味していたのかも知れぬな。
「つか(塚)」とは、人生の終わりを意味するわけじゃ。
「かつて」というと、人生の「て(方向)」を振り返る、過去を思い起こす意味になるのじゃろう。

かおる
それより、もっとイラスト描いてくださいよ〜。 かつてのように。











付録・年表




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